今年の日本株は後半大きく巻き返すかもしれない 前半は日経平均もNYダウも冴えない展開に?

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2021年9月には「日経平均は3万円を維持」の期待もあったがその後は下落。2022年の日本株はどうなるか(写真:つのだよしお/アフロ)

あけましておめでとうございます。本年も当コラムのご愛読のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。

さて、結論から言うと、2022年の世界株価の見通しはこれまでとまったく変わらない。年前半は世界的な株価下落(とともに外貨の対円相場も軟化=円高基調)を予想する一方、年央から年末にかけては世界的な株価の回復を見込む。

「6頭の熊」がいよいよ顕在化

年前半に株価下落を想定する背景は、以前「2022年に株価を下げる『6頭の熊たち』に注意せよ」で挙げたように、「6つの株価下落要因」が顕在化することだ。それを簡略化して再掲すると、下記のとおりだ。

(1) アメリカにおけるテーパリング(量的緩和の縮小)が進展し、大幅な金融緩和を前提としてきた企業や投資家の行動が逆回転する。

(2) アメリカの量的緩和の拡大スピードが落ちることが、新興国の政府や企業の資金調達を困難にする。並行して、新興国通貨の対ドルでの相場下落が加速する。

(3) 中国に関する多数のリスクが懸念される。具体的には同国の景気減速、「共同富裕」を掲げての突然の産業規制、巨額の民間非金融部門の債務問題、さらには米中の安全保障や人権問題をめぐる対立の先鋭化などが挙げられる。

(4) 日米欧などのマクロ経済指標や企業収益は増勢ながらも、伸びは鈍化している。

(5)アメリカなどの諸国で、トラック運輸・海運・港湾などの人手不足が品不足傾向を持続させるおそれがある。

(6)4月のフランス大統領選の結果に対する不透明感もあって、EU(欧州連合)の求心力に疑念が生じうる。ロシアによるウクライナ侵攻の懸念もある。

上記の熊のうち、市場への影響力がより大きなものは(1)~(3)だと考える。(4)~(6)が、それ単独で世界市場を波乱に陥れるとは見込みにくい。だが、それぞれがほぼ同時に発現することで、世界株価の動揺は大きなものとなりうる。

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