三菱ケミカル、日本的人事と決別宣言した背景

社員の責任と役割を明確化、若手も昇進可能に

総合化学大手の三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱ケミカルが、ジョブ型に近い人事制度を導入した(記者撮影)

年功序列にとらわれない「ごぼう抜き人事」で大抜擢――。

日本では、社長人事など経営幹部層の間ではよくある話でも、一般社員の間で起こることはこれまでほとんどなかった。それが、国内最大手の総合化学メーカー・三菱ケミカルホールディングスの中核会社の三菱ケミカルで、現実的な話になった。2021年の春、ジョブ型に近い新たな人事制度を導入したからだ。

「すでに飛び級のような例もいくつか出てきている。従来よりも、若い世代の登用が進んでいる。本人にスキルさえあれば、年齢関係なしにやりたい仕事に就けるようになってきている」

アメリカの製薬大手ファイザーの日本法人を経て2018年3月に招聘され、三菱ケミカルで大胆な人事制度改革を進める人事戦略担当の取締役、中田るみ子氏はこう語る。

年功序列賃金を廃止

三菱ケミカルのこれまでの人事制度は管理職と一般社員とで大きな違いがあった。三菱化学など3社が統合して発足した2017年4月から、管理職では欧米のようなジョブ型雇用(職務等級制度)を採り入れていた。ただ、一般社員の人事制度のほうは前身からほぼ変わらず、年功序列になりやすい日本型のメンバーシップ型雇用(職能等級制度)がベースのものだった。

一般社員は働きぶりに加え、経験につながる勤続年数などの要素も加味して評価し、処遇を決めていた。飛び級はなく、昇級は段階的に一歩ずつ上がる。出世に差がつかないわけではないが、昇級の蓄積がモノを言うため、年齢が高いほどいいポストや高い給与を得やすかった。

社員は会社命令に従い、転勤も含めて異動するのが当たり前だった。その代わり、与えられた仕事さえこなして働けば、昇級昇格がほぼ自動的に与えられてきたという。>>記事の続きはこちら

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