フランス人夫婦「結婚2年で別居選んだ」納得の訳 カップルの数だけ、カップルの形があっていい

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フランスでは、カップルのあり方はかなり多様だ(写真:AzmanL/iStock)

最近、長い間ご無沙汰していた友人たち何人かと会いました。そして驚いたのが、この友人たちの中でも(長く恋愛関係が続いていることで知られていた)非常に絆の固いカップルがかなりハードな別れを経験していたこと。

ふと1つ気がつきました。彼らは数年前、20年間一緒に暮らした後、結婚を決めたばかりなのに、そのわずか数年後にひどい形で離婚したということです。そこで今回は正式な婚姻と、夫婦関係について考えてみたいと思います。

結婚していないカップルのほうが仲がいい?

あくまで私個人の感覚ではありますが、カップルが基本的に愛し合っていて、一緒にいることをいとわなければ、結婚のような法的義務に基づくカップルよりも逆説的に絆が強いことが少なくありません。

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実際、私の周りでは結婚していないカップルのほうが長く連れ添っていることが多いようです。ところが、10年ほど一緒にいた後に結婚すると、数年後に離婚してしまう。これは私にとって非常に不思議な「現象」でした。

この件に関しては、フランスは日本とかなり異なります。例えば、フランスでは子どもの両親の6割が「未婚」です。ちなみに、この割合は1970年代には5%で、この数字が今の日本に近いでしょう。

フランスでも長いこと、同棲しながら結婚していない「非夫婦」は超少数派でした。1962年には結婚していない夫婦はわずか2.9%、1975年には2.6%、1982年にはわずか6.3%でした。それが現在では、26%のカップルがこの形を選んでいます。このうち「ユニオン・リブレ」、いわゆる事実婚が19%、法的な婚姻関係は結ばないけれど、ほぼ同じ待遇を受けられる「PACS(民事連帯協約)」が7%となっています。

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