「ジョブ型雇用」大学教育で圧倒的に足りないもの

冨山和彦氏が指摘する「日本型雇用」の課題

会社に依存せずに生き残るための専門性やスキルの重要性が高まっている。写真は2019年2月に開催された就職活動説明会の模様(撮影:尾形文繁)
日本企業特有の「メンバーシップ型雇用」を支えてきた右肩上がりの日本経済は終焉した。経営共創基盤グループの創設者で会長の冨山和彦氏はかねて、1人ひとりが会社に依存せずに生き残るための専門性とスキルの重要性を説いている。
日本の大学教育についても、教養(アカデミズム)重視から仕事に役立つ実学重視に大きく変えるべきだと主張している。
「日本流」ジョブ型が広がるこの時代、ビジネスパースンやこれから就職を考える学生はどのような心構えを持つべきか。冨山氏に聞いた。

大量生産時代の働き方は終わった

――メンバーシップ型の雇用が立ち行かなくなり、新たな雇用制度への転換を模索する日本企業が出てきました。その多くは欧米のジョブ型雇用とは異なりますが、職務を限定して専門性を求めるという点では欧米と共通しています。

働くというのは本来、ジョブ(職務)を遂行しているということであって、ある会社のメンバーであること自体ではない。ただ、日本ではたまたま、戦後の高度成長期が特殊な条件下にあったので、あたかも社員(メンバー)であることが1つの仕事のようになっていた。

その特殊条件はすでになくなっており、(ジョブ型雇用を志向する)今の流れは本来あるべき当たり前の状態に戻っているということだ。

――「特殊な条件」とは?

大量生産、大量販売型の産業モデルが成り立つ時代が連続していたことだ。メーカーなら生産や販売や管理などの仕事があって、同じことを何十年もやるという条件が、昭和30年ぐらいから昭和の終わりまで続いていた。

そうした状況下では同志的なメンバーで構成した組織は有効だった。例えば、営業と生産の間や生産現場ではさまざまな調整をしながら物事を進めていく。そこでは気心の知れた同じメンバー、同じ顔ぶれで仕事をすることが生産性を最も高める方法だった。>>記事の続きはこちら

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「ジョブ型雇用」大学教育で圧倒的に足りないもの

日本の「ジョブ型雇用」はここが間違っている

日本型の「終身雇用」のほうが会社は強くなる

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