日立、「コングロマリット限界説」に新社長が反論

大谷選手のような「二刀流」の経営を目指したい

日立の小島新社長は、中長期戦略においていちばん重要な指標は「従業員のエンゲージメント」だと語った(編集部撮影)
東芝や三菱電機がガバナンス問題につまずく中、大手総合電機メーカーで好調を維持しているのが日立製作所だ。
自らのIT基盤「ルマーダ」を成長の切り札とし、7月には総額1兆円を投じたアメリカのIT企業・グローバルロジックの買収が完了。一方で上場子会社である日立金属の売却を決めるなど、事業ポートフォリオ改革も最終章に突入した。
ただ6月には現在の路線を敷いた復活の立役者、中西宏明会長がリンパ腫のため死去。東原敏昭社長の会長昇格に伴い、副社長だった小島啓二氏が新社長に就任した。連結従業員数35万人を抱える巨大企業をどう導くのか。小島社長に聞いた。
※12月8日に実施した報道各社のグループインタビューを再構成した。

――社長に就任した2021年はどんな年でしたか。

私は就任会見で、2022年から始める新しい中期経営計画について「グリーンとデジタルで成長する10年の始まり」だと話した。2021年まではその基礎工事の期間だと考えている。事業ポートフォリオの改革はそのために取り組んできたことだ。

デジタルの面では7月にグローバルロジックの買収が完了し、8月には鉄道信号などの情報システムを扱うフランスのタレスの交通システム事業買収も決定した。グリーンの面でも2050年に日立のバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成すると宣言した。11月にはCOP26に参加し、「グリーンをやっていくぞ」という存在感を高められたのではないかと思う。

次の中計は私が中心となって検討を進めている。具体的な数値目標は来年の春に話すが、だいたい基本的なデザインは終わった。

コングロマリットは「あり」だ

――事業ポートフォリオ改革を経て会社の形は大きく変わりました。

私たちにとって大事なことは2つあり、1つは「パーパス」に近いもの。「社会課題を解決する企業」を標榜している以上、そのために必要な能力をそろえることが重要になる。

デジタル特集「トップが語る大予測2022年」では各界を代表する経営者のインタビューを配信しています。

それは事業ポートフォリオというよりも、基本的なケイパビリティ(能力)の問題だと思う。

たとえばITだけでカーボンニュートラルの課題は解決できない。水素や送配電などに関する基本的な能力があって、初めて社会課題を解決することができる。課題解決のためのケイパビリティをそろえて、磨くことが重要だ。

もう1つは投資家、株主にしっかり価値を還元すること。どういう会社の形が投資家にとっていちばん適切で、価値を上げることができるのか。この2つのバランスを取って両立させることが必要になる。

――東芝は会社を3分割するスピンオフ計画を発表しました。株主にとって、コングロマリット(複合企業)は魅力的ではないのでは?

>>インタビューの続きはこちら

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