「自分で自分を潰す人」がやりがちな思考のクセ 疲弊感なく物事を継続するために必要なこと

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「義務感」を少し手放してみたら、物事の継続につながるかもしれない(写真:Pangaea/PIXTA)
一会社員だったところから独立し、ストリートでの書道パフォーマンスを経て、成田空港や明治神宮前駅に作品がパブリックアートとして展示され、映画や大河ドラマの題字も数多く手掛けるまでになった武田双雲氏。近年は、オーガニック食材や発酵食品を使った店舗のプロデュースのほか、結晶が成長するビスマスという金属を使用しての書道アート、NFTで次々売れていく現代アートなど、活動の幅をどんどん広げています。
では、それだけのことを、面倒くささに押しつぶされず、書道家という枠にも縛られずに、楽しく続けられるのは、なぜなのでしょうか? 
ある程度のお金は稼げても、時間がない、心の安らぎがない。社内からイノベーションが生まれない……そんな悩みを持つ一流企業の幹部たちも参考にするという、武田双雲流の生き方とノウハウが詰まった書籍『丁寧道 ストレスから自由になれる最高メソッド』より、一部を抜粋してお届けします。

多くの人が「続けること」が苦手な原因

何かを始めようとしたとき、すぐに挫折してしまう人は少なくありません。

もちろん、その原因には継続性がポイントにあることは間違いありませんが、新しい習慣が長く続きにくい理由には、もっと根源的な要因が潜んでいます。

それが「義務感」です。

たとえば、とくに男性は覚えがあるかもしれませんが、子どもの頃、小学校まで石ころを蹴りながら登校したことがなかったでしょうか?

あれって誰からもお願いされたことじゃないのに、石がドブに落ちたりしないようにコツコツ丁寧に蹴っていたんですよね。

でも、あれを真面目に「毎日通学路で石を蹴らなくちゃ」と、タスク化して意識すると、かなりしんどいですよね。

そのしんどさを感じるか、感じないかの差を生むものが、「義務感」の有無なんです。

ただただ通学路で石を蹴っているうちは、「義務感」は発生しません。
石を蹴ることがめちゃくちゃ楽しい、というわけではないかもしれませんが、自分が狙ったところに石が行くように、無心で蹴っているからです。

これは、わかりやすい動的でハイな高揚感の楽しさではありませんが、静かで邪念のない喜びや集中で満たされている、ある種のゾーンのような状態です。

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