サイゼリヤ社長が「深夜営業廃止」を決断した裏側

コロナが「何を守り、変えるか」の判断を促した

22時以降の深夜営業は原則廃止する方針を決めたサイゼリヤ。堀埜社長は「コロナがなければなかなか踏ん切りがつかなかった」と語る(撮影:風間仁一郎)
2021年も、外食業界にとっては「コロナ一色」といえる1年だった。再三にわたり緊急事態宣言が発令されたことで、客離れは長期化した。
ファミリーレストラン大手のサイゼリヤも、被った影響は小さくない。大幅な減収により、2020年8月期以降は2期連続の営業赤字に陥った。一方でコロナ収束後も22時以降の深夜営業の取りやめを継続するなど、新たな経営方針を打ち出している。
我慢を強いられる情勢が続く中、どのような戦略を打ってコロナ後の反転攻勢を描くのか。堀埜一成社長に聞いた。

深夜営業がなくても利益は出せる

――コロナ収束後も、原則として22時以降の深夜営業をやめる方針を掲げました。

コロナ禍でいったん身についた消費者の生活様式・習慣はなかなか戻らないと判断した。加えて、(時短要請を受けて)営業時間を短くしたことで、社員をほぼ全時間帯に配置できるようになった。顧客満足度向上という観点からもメリットが大きい。

深夜営業の継続は、経費と無駄が発生しすぎる。労務費の観点でいえば、深夜の割増手当がかさむし、公共交通機関を使って帰れない従業員向けの駐車場代や寮費も必要だ。シミュレーションを組んでみたら、深夜営業をやらなくても利益が出ることがわかった。

デジタル特集「トップが語る大予測2022年」では各界を代表する経営者のインタビューを配信しています。

深夜帯の営業を誰が担っていたかというと、多くは外国人労働者だ。コロナの長期化もあり、彼らの戻りにはなかなか期待できない。これからとくに深夜帯の労働市場はコロナ前よりレッドオーシャンになり、募集にさらなるコストや労力がかさむだろう。

――実際、外食各社はここ最近口をそろえて「人手不足の再燃」を課題に挙げるようになりました。

そこで、(人の確保が)厳しい深夜を捨ててみようという判断になった。

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