ディズニー動画配信、「ローカル作品」強化の真意 ウォルト・ディズニー・ジャパンの社長を直撃

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ディズニーは10月、新たなコンテンツブランド「スター」を追加。アジア地域で独自制作するローカルコンテンツも配信していく(撮影:今井康一)
いま動画配信関係者の間で、その一挙手一投足に注目が集まるのが、アメリカのウォルト・ディズニーだ。2019年11月に動画配信サービス「ディズニープラス」を開始。日本でも2020年6月にサービスを始めた。有料会員は今年3月にグローバルで1億人を超えている(日本での会員数は非公開)。
10月には新たなコンテンツブランド「スター」を追加した。スターでは、20世紀スタジオなどディズニー傘下のプロダクションの制作作品のほか、日本を含めたアジア太平洋地域(APAC)で独自に制作するローカルコンテンツも配信する予定だ。
日本ではアメリカのネットフリックスが2020年9月に国内会員数500万人を突破するなど、競争は激しさを増す。そうした中で、ディズニープラスはどう勝ち抜くのか。ウォルト・ディズニー・ジャパンのキャロル・チョイ社長に直撃した。

日本のユーザーの「相棒」になりたい

――日本でディズニープラスがローンチして1年半経ちました。これまでの手応えや日本の視聴者の特徴などは見えてきましたか。

ユーザーからは非常にいい反応をもらっている。私たちは日本市場を重視しており、その意味で(うまくいくかどうか)つねにプレッシャーを感じている。

日本のユーザーはテレビに費やす時間が長いという特徴がある。そのため、(スマートテレビやゲーム機のような)コネクティッドデバイス経由での加入などが効果的だ。さらに特徴的なのは、「アナと雪の女王」など人気作品を何度も見る傾向があることだ。

――現在の会員数は非公開ですが、その数に満足しているのでしょうか。

私たちのチームは不断の努力を続けているし、勇気をもらえるような成果が出ている。ただ、動画配信サービスはまだ始まったばかりだ。日本のマーケットとともに成長したいと思っている。

私たちのコンテンツはいまや、いつでも、どこでも視聴してもらえる。iPadでもスマートフォンでもいい。最近ではカフェやレストランで食事をしながら動画を見ている人も多い。そういった形で、ディズニープラスは日本のユーザーにつねに持ち歩いてもらえる「相棒」になりたい。

動画配信サービスは「まだ始まったばかり」と話したが、日本でのディズニーの始まりは映画「白雪姫」を持ち込んだ70年前。そして、いま私たちは「動画配信」という新しい技術でコンテンツを提供しているわけだが、ストーリーやコンテンツをユーザーへ届けることは変わらない。

コンテンツを届けることこそが、私たちのビジネスの核心だと思っている。

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