ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグ飽和」の打破

新たな「武器」に?難易度の高い生鮮食品を販売

近隣の市場から仕入れた新鮮な野菜が並ぶ店内は、さながら食品スーパーのようだ(記者撮影)

10月下旬、千葉市内にオープンしたドラッグストア「ウエルシアイオンタウン幕張西店」。初日は午前10時の開店を前に、数百人の客が店舗前で長蛇の列を成していた。

開店と同時に客が飛びついたのは、店外に設置された、ジャガイモや人参が山積みとなった野菜のコーナー。オープンセールのため、1つ18円で販売されていた。店内に入ると右手奥に、150坪の大きな食品売場が広がる。そこで客が品定めをしていたのは、1切れ98円の銀鮭だった。魚は食品の中でも鮮度管理が難しく、ドラッグストアでは敬遠されている。

ショッピングセンターの開発・運営を行うイオンタウンが開業した「イオンタウン幕張西」。中核店舗となるこのウエルシアは精肉から魚まで、あらゆる生鮮食品を販売している。その充実ぶりや鮮度管理の徹底度合いは、食品を扱う他のドラッグとは一線を画す水準だ。

イオンの社長も期待する店舗

「ウエルシアとしては勇気のいる選択だが、イオンの力を借りて食品の充実を図りたい。これまでのドラッグではできなかった食品の領域までいきたい」。幕張西店のオープンに際して開いた記者会見で、ウエルシアホールディングス(HD)の松本忠久社長は新店舗に込めた思いを語った。

ドラッグストアだが、開店と同時に客が飛びついたのは山積みの野菜だった(記者撮影)

ウエルシアHDの親会社であるイオンの吉田昭夫社長も、幕張西店での取り組みに期待を寄せる。10月6日の中間決算説明会で次のように述べていた。

「ドラッグ業界は高い伸び率でこれまで成長を続けてきたが、ここのところ飽和感もある。次のステージへの成長を考えると、同業他社と差別化された事業として(食品への取り組みを)確立する必要がある」

吉田社長がそこまで言及するのにはわけがある。イオンにおいてウエルシアHDを中心とする「ヘルス&ウエルネス事業」は、イオンモールなどの「デベロッパー事業」、イオンフィナンシャルサービスなどの「総合金融事業」と並ぶ稼ぎ頭だからだ。

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