50年後「日本の高速道路」はどうなっているのか? 日本道路会議の議論に見た専門家の希望と課題

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6人の専門家による議論で「50年後の高速道路」への期待を示した専門家会議が行われた(写真: まちゃー / PIXTA)

2021年11月4日~5日の2日間、道路の行政、建設、維持管理などにかかわる全国の関係者が集まり研究発表や討論を行う「日本道路会議」が開かれた。

道路に関する会合としては、わが国最大のイベントで、主催は公益社団法人日本道路協会。隔年開催で今回が34回目である。会場は東京・永田町の都市センターホテルだが、コロナ禍の影響で会議の視聴は主にオンラインとなった。

筆者は、数あるプログラムの中で、高速道路に関するパネルディスカッションにパネリストの1人として呼ばれており、各分野で活躍する一流のパネリストとともに議論に参加した。

わが国初の高速道路が開通して60年近くを経て、国民の生活がどう変わったか、そしてこれから迎えるさまざまな分野の技術革新の中、今後高速道路はどう変わっていくのかを議論するという刺激的な時間を過ごすことができた。その概要をごく簡単ではあるが、お伝えしたい。

高速道路がもたらしたインパクト

パネルディスカッションの正式なタイトルは、「高速道路ネットワークは次なる半世紀へ ~新たな日本文明の創造にむけて~」。

コーディネーターは、筑波大学の石田東生名誉教授。パネリストは筆者のほか、株式会社ローランドベルガーの小野塚征志氏、戦略イノベーション・スペシャリストの川端由美氏、日本総研主席研究員の藻谷浩介氏、東京工業大学教授の柳瀬博一氏、そして時事通信社内政部専任部長の渡部裕子氏である。

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4日の10時から始まったセッションでは、まず6人のパネリストが、高速道路が日本にもたらしたインパクトについて、あらかじめ提出したワンフレーズのキャッチフレーズに沿って、プレゼンテーションを行った。

小野塚氏は「『物流=経済の血流』とするなら、『道路は血管』である」、川端氏は「都市やモビリティの価値を高め、未来を築く礎となる社会連携基盤を構築した」、藻谷氏は「大都市中心の放射状ではなく、全国に格子状に建設された高速道路は『多極分散型国土』の基幹インフラだ」。

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