コロナ禍の「一斉休校」は児童の学力に影響したか

学力向上システムのデータから因果効果を検証

写真と本文は直接関係ありません(撮影:尾形文繁)

コロナ禍の中では、さまざまな行動制限や営業制限が実施された。中でも、学校教育が受けた影響は大きい。2020年3月2日から小・中学校、高等学校の全国一斉臨時休校が実施され、地域によっては対面授業が5月末まで行われなかった。

各学校はマイナスを補うため、オンライン授業の活用、夏季休業期間の短縮、運動会や遠足といった行事の中止・縮小などを行った。では、そうした教育現場の取り組みは、児童の学力へのマイナスの影響を防止できたのだろうか。

因果効果を検証

文部科学省は「令和3年度 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果を基に、コロナ対策として実施された臨時休校の長さと小中学生の国語・算数の得点との間に相関関係がなかったと発表した。

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だがこれは、休校が学力に影響を与えなかったことを示すものではない。休校期間の長さが異なる学校の、単年のテスト結果を比較したにすぎないからだ。休校前に存在した学力の差が、休校期間の長さの差によってたまたま埋まったのかもしれない。

また、休校期間が異なる学校は、休校以外の多くの要素(教員の数や質、児童の家庭環境、学校の所在地など)も異なる可能性があり、臨時休校の影響のみを取り出すことが難しい点にも注意が必要だ。

こうした状況を受け、筆者は大阪大学の大竹文雄教授と共に、奈良市の小学生を対象とした算数の学力向上システム「学びなら」のデータを用いて、臨時休校が児童の算数テストの点数や学習意欲に及ぼした因果効果を検証した。

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