SFの世界が現実に、JR西「人型ロボット」のド迫力 日本信号やベンチャーと共同開発の「汎用機」

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日本信号、JR西日本、ベンチャーの人機一体が開発したロボット「零式人機」(記者撮影)

千葉県の幕張メッセで11月24〜26の3日間にわたって開催された「鉄道技術展」。国内唯一の鉄道技術に関する総合展示会で、今回が7回目。コロナ禍の中での開催となったが多くの来場者で賑わった。

ドイツの大手ブレーキメーカー、クノールブレムゼのブースに設置された実物大の鉄道車両モックアップなど目玉展示は数多いが、中でも来場者の度肝を抜いたのが、日本信号のブースに展示されていた高所作業用の人型ロボットである。

腕の長さは1.4m。体の幅は1.7mなので両腕を伸ばすと4.5mになる。足はなく、腰からの高さは1m。重量は650kgある。頭に相当する場所にはカメラが取り付けられており、これで空間を認識し、アームを使って作業を行う。離れた場所に設置されたコックピットに作業員が座ってロボットを操縦する。

汎用人型重機「零式人機」

このロボットの名前は「零式人機 ver.1.1」。日本信号、JR西日本、そして立命館大学発のベンチャー企業「人機一体」の3社が開発した汎用人型重機である。その姿形はまさにSF映画の世界から抜けだしたようだ。

特撮ドラマやロボットアニメの世界において人間が操縦して動く人型ロボットといえば、「ガンダム」のようにレバーで操縦するタイプと、「ジャンボーグA」や「ダイモス」のようにロボットが操縦者の動きをトレースして動くタイプがある。

零式人機はその中間だ。操縦者が頭を動かすと零式人機のカメラもその方向を向く。腕と指の操作はレバーで操縦する。もっとも、零式人機はガンダムやダイモスのように巨大ではないので、内部に人が乗り込むわけではない。

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