グリーン車、お得に「長く乗れる」新幹線はどれか 「居場所」と考えて料金を時間で比較してみると

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新幹線N700S(確認試験車)のグリーン車内(撮影:尾形文繁)

出張や旅行でグリーン車を使うかどうか、悩む人も多いだろう。乗車時間と料金次第では、ゆったりしたグリーン車に乗りたいと思う人も多いはずだ。

せっかくグリーン車を利用するなら、とくに急がない旅行であれば少しでも長く乗っていたいのが人情。当然ながら速い列車より遅い列車のほうが長い間乗っていられる。視点を変えると、同じ料金でも遅い列車のほうが時間当たりの単価が安くなるわけだ。同じお金を払うのでも、そのほうが「お得な気分」になれる。

そこで、乗車1時間当たりのグリーン料金と、料金1000円当たりの乗車時間(金額÷分、1000円÷1分当たり金額) を、同じ路線の速い列車と遅い列車とで比較してみた。なお、乗車時間は出発の数分前には車内にいるであろうことも考慮して、例えば正確な乗車時間が57分なら1時間といった形で想定している。

ビジネス利用なら速いほうがいいと言われるだろうが、時間単価によってはグリーン車でゆったりと仕事をしつつ移動したほうが、目的地に早く着いてからカフェを探してコーヒー代を出すよりいいと思えることもあるのではないか。

グリーン料金は高いが…

東海道新幹線・東京―新大阪間のグリーン料金はどの列車でも5720円だ。これを「のぞみ」の乗車時間2時間半で割ると1時間あたり2288円となる。「ひかり」であれば大まかに3時間で割って1時間あたり1907円、「こだま」の乗車時間4時間で割ると1時間あたり1430円と3分の2になる。

ということは、グリーン料金だけで見れば「のぞみ」より「こだま」のほうが1時間当たり858円お得ということになる。一方、1000円当たりの乗車時間で見てみると「のぞみ」は26分だが、「こだま」は42分で、約15分長くグリーン車を楽しめるということだ。グリーン車は全席コンセント付きでシートも広い。

とはいえ、そもそも5720円は高いという人は多いだろう。だが、安く利用できる方法がある。

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