「家賃はもったいない」と言えるこれだけの理由 そもそも不動産は格好の「徴税対象」と理解せよ

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賃貸に比べ分譲マンションは設備のスペックが高い場合が多い(写真:Sunrising / PIXTA)  
いつの時代も話題になる「賃貸v.s.持ち家」論争。しかし、「持ち家」派の不動産コンサルタント沖有人さんによると、「決着はとっくについている」と言います。今回はその理由を解説してもらいました。

持家と賃貸のどちらが得かは永遠の論争と言われたりする。しかし、それは大人の事情に過ぎない。どちらが有利と言ってしまうと、物件検索ポータルとしては分譲も賃貸もやっているので、立場がなくなるだけなのだ。

そもそも支払期間に1.5倍の差

まず、住宅ローンの返済と家賃が月額で同じだった場合、生涯の支払い期間は持家35年に対して、賃貸は50年以上になる。持家のローン期間は通常35年で終わる。その後は、管理費等を払うだけだ。ローンの金利が変動なら、今は0.5%程度の低金利で、住宅ローン控除という減税策で年末のローン残高の1%が還付されるので、実質マイナス金利になっている(住宅ローン控除の制度は22年の税制改正で見直される見通し。見直し後は、マイナス金利とはならないものの、実質ゼロ金利となる見通し)。

一方、家賃は一生涯支払い続ける必要がある。持家の平均取得年齢が37歳ほどなので、生涯となると、50年を見ないといけない。この時点で、35年対50年以上なので、約1.5倍の差がつく。

こんな単純な計算でも、物件検索サイトではほぼ同額になる様に「操作」される。この操作はたいてい面積をいじる。持家70㎡のマンションに対して、賃貸50㎡のマンションに設定し、この設定条件は小さい字や欄外にまとめられることになる。これは大人の編集能力というものだ。50㎡と70㎡なので、約1.4倍異なるので、おおむね拮抗するようになる。

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