EV化で加速する「電池巨額投資」の熱狂とジレンマ

トヨタも参戦、米国が電池工場ラッシュの舞台

EV化が加速する中で、世界中の自動車会社が「電池争奪戦」に沸いている。
アメリカのフォード・モーターは韓国のSKイノベーションと組んで約6500億円をかけた電池工場をアメリカに建設すると発表。EV化には慎重とみられたトヨタは、約3800億円をかけてグループ単独でアメリカに工場を建設すると発表している。
日本の自動車メーカーや電池メーカーはどう戦っていくのか。東洋経済プラスでは、「電池 世界争奪戦」と題し、その最前線を追った。
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トヨタもついに参戦!超ド級「電池投資」の最前線

世界の自動車メーカーの間で今、熾烈な“電池争奪戦”が起きている。

トヨタとパナソニックの合弁で設立された電池メーカーPPESの加西工場(写真:PPES)

脱炭素政策のもとでEV(電気自動車)などの電動車シフトを進める自動車各社にとって、どの電池メーカーと組み、どれくらいの量の電池を確保するかは電動化計画そのものを左右する重大事だ。

ある自動車メーカーの渉外担当者はこう打ち明ける。「今、電池メーカーは強気ですよ。電池メーカーが発注元を選ぶ。条件として、投資をしてくれ、前払いをしてくれ、年間契約で購入量を保証してくれなど、いろいろと条件をつけてくる。それがのめないのなら売らないぞ、と」。

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パナソニック「慎重すぎる」電池投資のリスク

「本邦初公開、これが『4680』の現物です」

開発中の新型リチウムイオン電池を見せる只野氏(記者撮影)

10月下旬、パナソニックで電池事業を展開するエナジー社の只信一生社長は東洋経済などの取材に応じ、箱の中から大事そうに1本の電池を取り出した。満面の笑みを浮かべて披露したのが、開発中の新型リチウムイオン電池「4680」だ。

4680とは、パナソニックの電池事業の主要顧客であるアメリカのテスラが構想し、2020年9月に発表した新型の電池だ。現在パナソニックがテスラ向けに量産している「2170」に比べると、電池容量が5倍、出力は6倍になるうえ、パック化せずに車体に直接組み込むことができるため、工程を減らしてコスト削減につながるという。

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電池部材「中国がシェア席巻」でも日本が動じない事情

かつて日本メーカーの独壇場といわれた電池部材市場に、この数年で異変が起きている。中国メーカーが一挙に台頭してシェア上位を占め、それに押される形で日本メーカーのシェアが下がってきているのだ。

旭化成が開発するセパレーター。中国勢も開発に力を入れるが、品質で差別化できている(写真:旭化成)

自動車の電動化を背景にリチウムイオン電池の需要は急拡大している。それに伴い、電池に用いられる主要4部材(セパレーター、正極材、負極材、電解液)を生産する化学メーカーにもかつてない引き合いが来ている。ただ、出荷量で比較すると、中国部材メーカーとは大きな差がついている。

日本の電池メーカーは現在、物量と安さで中国に競り負けているが、電池の部材メーカーも同じ道をたどることになるのだろうか。

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住友金属鉱山が「電池部材」で中国勢に負けない秘訣

創業1590年――。住友グループの源流企業である住友金属鉱山。

伝統的な日本企業の同社が気を吐くのが、電池の容量を決めて自動車の航続距離に直結する重要な電池部材、正極材の開発・生産だ。

住友金属鉱山が生産する電池の正極材は、パナソニックやトヨタの電池子会社などに出荷されている(写真:住友金属鉱山)

正極材に占める住友金属鉱山の世界シェアは2020年の出荷量ベースで世界2位だが、比率は1割弱。ただ、テスラの電池などで採用されている正極材である、ニッケル酸リチウムに限ればシェアは6割程度にハネ上がる。車載電池で主流の3元系正極材は主にトヨタ自動車の電池子会社などに供給されている。

ほかの電池部材と同様、正極材でも中国勢の台頭は著しい。その中でも住友金属鉱山が市場で一定の優位性を築けているのには理由がある。

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大検証!夢の「全固体電池」は実際何がスゴいのか

電気自動車の競争力を飛躍的に高める、“夢の電池”――。

そう期待されてきた次世代電池の筆頭格が、全固体のリチウムイオン電池だ。全固体電池とは、電池の正極と負極の間にあり、リチウムイオンが移動して電気を流す「電解質」に、現在使われている液体ではなく固体の材料を用いたものだ。

開発中の全固体リチウムイオン電池(左から順に、圧粉型セル、2cm角塗工型セル、7cm角塗工型セル)(写真:NEDO)

これが実用化されればEVの抱える課題の解決につながるとあって、開発競争はここ数年激しさを増してきた。電池メーカーや自動車メーカーに加え、素材メーカーやスタートアップも相次ぎ参入している。関連特許の出願数などで先頭集団を走っているのは、日本のトヨタ自動車だ。

が、そのトヨタから衝撃的な発表があった。

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