リニアの強敵?「ハイパーループ」実現への着地点 音速長距離走行は無理筋、都市内移動が適切か

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ハイパーループのCGイメージ。駅に停車する車両はチューブで覆われるため実際には見えない(画像:アラップ)
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地球温暖化の原因となっている二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量をどれだけ減らせるか。欧州ではCO2削減の観点から航空機や自動車から鉄道へのシフトを進める動きが盛んだが、新たなテクノロジーに活路を見いだそうとする動きもある。その一つが「ハイパーループ」だ。

ハイパーループとは、チューブ内をポッドやカプセルなどと呼ばれる車両が空中浮遊して高速移動する新しい輸送システム。チューブ内を減圧して真空にすることで摩擦抵抗や空気抵抗が抑えられ、時速1000kmを超える移動が可能になるという。音速旅客機並みの速さで移動できるだけでなく、車両自体はCO2を排出しないため、環境にも優しいとされる。

長さ10m程度で数人乗りの小型ポッドから新幹線車両と同じ長さ25mで50人程度が乗車できる大型のポッドまで、さまざまなタイプのポッドが開発中。これらのポッドは列車のように何両も連結して走ったり、スキー場のゴンドラのように単独のポッドが運行したりと、需要に応じてさまざまな運用が想定されている。最需要区間はポッドが連なる長大編成で運行し、その後行き先によって短編成に分割するという構想もある。

速度はリニア中央新幹線の倍

目下、旅客機や高速鉄道に続く新たな高速輸送システムの最右翼とされているのはリニアモーターカーだ。磁力による反発力や吸引力を利用して車体を軌道から浮上させて走行する。中国では時速300kmで運行する上海の空港アクセス鉄道としてすでに実用化されており、日本でもJR東海が時速500kmで営業運転するリニア中央新幹線の建設を進めている。それに対して、ハイパーループの速度は時速1000km超で超電導リニアの最高速度を大きく上回る。

もっとも、ハイパーループも磁気浮上の技術を取り入れており、リニアモーターカーの進化形といえなくもない。既存の技術で実現可能なことから、「2030年ごろには飛行機や新幹線のように普及した輸送手段になることが期待される」(日経産業新聞2018年11月21日)などの報道も見られる。

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