「本の物流王」じり貧の出版で生き残る秘策の全容

広がる直取引にちらつく大手商社・丸紅の影

日販はライバルであるトーハンとの協業にも踏み切った(記者撮影)
2021年5月、総合商社・丸紅が出した1本のニュースリリースに出版業界がざわついた。
出版最大手グループである講談社や集英社、小学館と組み、出版流通における課題を解決するための新会社設立を協議すると発表。その構想に出版流通において「要」(かなめ)となる「取次(出版業界の卸売業)」の2強の名前がなかったのだ。
出版社は取次を通して書籍や雑誌を書店に配本している。その出版流通において日本出版販売(日販)とトーハンは売上高ベースでシェアの過半を握っているとみられる。
長年にわたって「出版流通改革」を掲げ、高止まりする返品率など業界の課題に向き合ってきた取次大手。出版社・書店の流通パートナーとしてのプレゼンスは揺らぎつつあるのか。取次2強の一角・日販の奥村景二社長を直撃した。

出版流通が止まってしまう

――丸紅と出版大手3社による構想の発表をどう受け止めていますか。出版社から見た取次のパートナーとしての位置づけが弱くなっているように見えます。

僕も(同じように)思っている。

「このまま自分たちの流通を日販と(取次2強のもう一角である)トーハンに任せていいのか」と、出版社に懸念されているのではないか。そう思われるのは本意でない。自社の収益を確保しつつも改革を進め、出版社と書店のために出版流通をよりよい形に変えていきたい。

(丸紅など)4社が発表で述べているのは、われわれがやろうとしている流通改革の柱と同じ内容だ。彼らが持つ市場データをきちんと整理して、それを効率的に使えるようにすると。なので、どんどんやってもらいたい。丸紅が(物流子会社などの)流通機能を持っているため、どういう形でやるのか心配だが……。>>記事の続きはこちら

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