無印良品が「店長育成」で大改革に踏み切る事情

「やるべきことをやったら100点」から脱却する

これから地方への出店を加速させる無印。店長候補となる人材の採用・育成手法も大幅に見直す考えだ(撮影:今井康一)
「全国津々浦々で出店を加速する」
「無印良品」を展開する良品計画は、地方の食品スーパー横などへの出店を増やし、2024年までに国内で年間100店を出店する体制を整える目標をぶち上げた。
無印が描く「店舗」の役割は、商品を売るだけではない。新たな中期経営計画では、店舗を拠点として地域活性化に本腰を入れて取り組む姿勢を打ち出した。
店舗のスタッフが地元の生産者や行政との連携を深め、各地のニーズをくみ取ったサービスやイベントの展開、地域産商品の提供などを強化する。
こうした店舗を年100店出店することは、個店経営を担える店長を新たに100人育成しなければならないことを意味する。どうスピードを上げて人材を育てるのか。9月に就任した堂前宣夫新社長を直撃した。(売上高3兆円構想に込めた意味や、自身が考える社長像などについて語ったインタビューの前編はこちら

2年で"新人店長"の免許を取る

――年間100店出店する目標を打ち出しました。現状の課題は何でしょうか。

店舗の拠点(出店先の確保)自体は何とかなる。それよりも、店舗を正しく運営できる人材づくりが課題だ。

もし年間200店出すと言ったら、そんなに店長をそろえられない。店舗運営や出店した地域のコミュニティのマネジメントをできる人が社内に大量にいるかと言われると、少し自信がない。でも採用や育成を通して2~3年頑張れば、100くらいなら可能性がある。

――優秀な人材を確保するため、2021年9月から在学中の学生など30歳未満を対象とした通年採用を開始し、年間150人を採用することも発表しました。採用できる手応えはある?

わからない。難しいとは思う。じっくりやるしかない。

本部では外部人材の採用も強化するが、(新卒でも中途でも)ほしいのは根本が「社会派」の人。金持ちになりたいとか、でかい組織のトップに立って偉くなりたいというよりも、社会が良くなることに貢献したいという考えの人だ。

今、社会派の学生はけっこう多い。そういう人が、店舗でマネジメント能力と商売能力をしっかり身に付けてもらえば、"化け"られる。スキルは後から身に付きますから。

――ただ無印は、マニュアルに基づいた店舗運営を徹底してきた印象があります。個店経営を担う人材を大量に育成するのは、ハードルが高いのでは?

そうですね、ハードルはだいぶ高い。

今、組織風土のいちばんの課題は自律性や自発性を持たせること。今までは、「やるべきことをやったら100点」という文化だった。

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堂前新社長インタビュー前編
「無印は社会運動」と明かした真意

堂前新社長インタビュー後編
「店長育成」で大改革に踏み切る事情

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