ユニチャームのネコ餌「吐き戻し減」で飛躍の神髄

後発者優位を利用、緻密な調査生かし商品開発

コロナ禍以降、癒やしを求め猫を飼い始める人が増えている(編集部撮影)

「よく噛まないで食べるから、食事を吐き出してしまう」「肉味のキャットフードは食べるけれど魚味は食べない」「ちょっと高いキャットフードを食べたら、安いものをしばらく食べなくなる」

癒やしなどを求め、猫を飼う人が増えている。一般社団法人ペットフード協会の推計によると、国内で猫を飼育している世帯数は2020年で550万。愛猫家たちの大きな悩みが猫に与える食事だ。その悩みを解決する商品にビジネスチャンスがある。

日用品大手のユニ・チャームは2020年3月、健康機能を訴求するキャットフード「AllWell(オールウェル)」を発売した。

ユニ・チャームといえば、マスクやおむつ、生理用品のイメージが強いが、売り上げ全体の13%にあたる956億円(2020年)はペットケア事業によるものだ。犬用と猫用の商品の売上高はほぼ同程度ながら、猫用が若干上回る。イギリスの市場調査会社ユーロモニターのデータによると、国内のキャットフード市場では、マース ジャパンと並び最大手の一角を占める。

オールウェルは、免疫力や筋力の維持などを目的とした「健康系」のキャットフードだ。ユニ・チャームは2004年に「銀のスプーン」を発売して以降、おいしさや素材にこだわった「グルメ系」に強かったが、健康系は発売していなかった。

後発ながら「健康系」でシェア2位に

健康系のキャットフードでは国内メーカーの存在感が薄い。代わりに目立つのは、「ヒルズ」や「カルカン」で有名なマース ジャパン、「ピュリナ」を有するネスレ日本などの外資系だ。

ところがオールウェルは、発売から2年足らずで「健康機能を訴求するキャットフードでシェア2位」(グローバルペットケアマーケティング本部ジャパンブランドマネジメント部の岡本淳一部長代理)となった。外資系が築く壁を打ち破ったわけだ。社内想定の2倍以上のスピードでシェアを獲得しているという。

ヒットした背景には、後発組ならではの競合商品の分析と、猫の生態に着目した商品開発がある。健康系キャットフードにおいて、後発組であるユニ・チャームの社内では、「同質化した商品では絶対に勝てない」(岡本氏)という危機感があった。

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