無印は「社会運動」、異色の新社長が明かした真意

ユニクロ出身の堂前氏「僕は伝道者にすぎない」

売上高3兆円という大目標をぶち上げた無印。今後は地方への出店を加速する(撮影:今井康一)
「第二創業」――。
「無印良品」を展開する良品計画は7月、新たな中期経営計画を発表した。55ページにおよぶ中計は、冒頭の4文字から始まる。
発表の舞台に上がったのは、9月1日付で社長に就任した堂前宣夫氏。かつて「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングで副社長などを務め、柳井正氏の右腕としても知られた人物だ。
新中計では2030年に実現したいこととして、「日常生活の基本を担うこと」と「地域への土着化」の2点を掲げる。地方の食品スーパー横などへの出店を進める方針で、売上高3兆円(2021年8月期実績は4536億円)という野心的な数値目標も設定した。
無印初の外部出身のトップとして、会社をどう率いるのか。そして新たな成長戦略に込めた思いとは。堂前新社長に聞いた。

――コロナ禍で消費低迷などの影響も残る中、なぜこのタイミングで「第二創業」を宣言したのですか。

コロナだからというわけではなく、経営体制が変わるに当たって会社の方針を従業員を含めてみんながわかるようにしたかった。

あと無印は2020年に創業40周年を迎えた。これまでを振り返り、「100年先に、会社としてどんなことしたいんだっけ」という議論が社内であった。その節目という意味合いも大きい。

――会社の使命として「生活に欠かせない基本商品、サービスの提供」と「店舗が地域のコミュニティセンターとなる」ことを掲げました。

2つの使命は両方とも、実は「コミュニティセンター」が絡んでいる。

生活の基本となる商品・サービスを、コミュニティセンター(無印の店舗)を通じて提供するというのが1つ目。もう1つが、店舗がコミュニティセンターとして機能しながら地域の活性化に貢献することだ。

「無印は一番じゃなくていい」と話す堂前社長。しかし「同じ町ならユニクロと肩を並べるくらいになりたい」とも語った(撮影:梅谷秀司)

何年も前から社内では、生活の基本を担う商品をしっかり提供することと、地域に土着化して地元を盛り上げることに取り組んできた。しかしそれらがどうつながりがあり、地域への土着化は会社や店舗の運営に余裕があるときだけやればいいのか、という点では社員の認識や姿勢にブレがあった。

そのままでは、本業としての小売業があって、地域への土着化はそこに余裕がある社員たちがやっていると捉えられかねない。でもそうじゃない。

今回の第二創業の意味は、「これは本業です」と定義し直したことにある。

小売企業は、広告宣伝でちょっと煽って販売すると、煽った以上に集客できて利益が出る。そういうモデルをしたくなるが、当社の場合それはしない。広告するぐらいなら、ちゃんと地域のためになることをしよう、と。

――地元を盛り上げて、地域の課題を解決することも無印の本業だと。しかしそうした社会貢献の側面と、「2030年に売上高3兆円」という大々的な数値目標にはイメージギャップがあります。

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堂前新社長インタビュー前編
「無印は社会運動」と明かした真意

堂前新社長インタビュー後編
「店長育成」で大改革に踏み切る事情

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