衆院選後に日経平均上昇のカギを握るものは何か 11月第1週で「今年度後半の株価」が決まる

拡大
縮小
衆院選で自民党は絶対安定多数を確保。今後の日経平均上昇の「カギ」とは?(写真:つのだよしお/アフロ)

「実質12日間(公示日含む)」という短期戦が終わり、衆議院選挙の結果が出た。市場には「投票日までは高い」というアノマリーがあったが、10月29日までの9立会日の成績は5勝4敗とはっきりしなかった。

それどころか、公示日前日である同月18日の日経平均株価は2万9025円、同29日の終値は2万8892円と133円の下落で、株高アノマリーは不発となった。こんなところにも、今回の選挙結果がどうなるか、市場が測りかねている様子がうかがえた。

「選挙ラリー不発」の理由は岸田政権にあり

今回の選挙がいつもと違ったところは、野党共闘が成功した選挙区が多く、当落線上の勝敗次第では与野党の勢力図が大きく変わる点だった。

日々のせめぎ合いにおいても、「3日目」(同月21日)にして日経平均546円安の急落は、中国恒大集団の「デフォルト懸念」があったにしろ、やはり選挙の結果に対する不透明感が大きかったことを現している。事実、今度は逆に同月26日の505円高は「自民党単独過半数」という、1つの世論調査の結果を受けてのものだった。

ただ、選挙ラリーが不発に終わったのは、選挙後の岸田文雄政権の姿が、はっきり見えていないことにもよる。「新しい資本主義の具体的姿が見えない。成長と分配はどちらが先なのか」などと、市場の不安・不満は現在も収まっていない。

市場が明確にしてほしいと思ういちばんのことは、アベノミクスの3本の矢やその後の新3本の矢とどう違うのかということだ。

次ページ「3本の矢」「新3本の矢」とは何だったか
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT