「地球にも財布にも優しいメルカリ」を使わない訳 大量の本を売ってわかった「お金の新常識」

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ある日家に帰ると郵便受けにお隣さんからお裾分けが! へベスという珍しい柑橘。サンマにたっぷりかけていただく(写真:筆者提供)
疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第30回をお届けします。

使い捨て文化に一石を投じた「メルカリ」

前回、収納のない家への引越しで新居に入りきらないものを処分するにあたり、人生で初めて「人にあげる」楽しさに目覚めたことを書いた。

稲垣えみ子氏による連載30回目です。

だが改めて考えてみれば、今さら私がまるで大発見でもしたかのようにそんなことを書かずとも、不要品を他人に譲るなんて当たり前! という人は案外多いのではないだろうか?

何しろ今や、スマホ1つで10分もあれば不用品を売りに出せるのだ。

人気のフリマアプリ「メルカリ」は月間利用者数が2000万人を突破したそうで、これほどお客さんがいれば、とても売れるとは思っていなかったようなものも案外売れたりするらしい。となれば、愛用したものをゴミ箱に捨てずに済むし、それどころかお金まで手に入る。人気が出るのも当然の、大変よくできたシステムだ。

メルカリの浸透は、使い捨て文化に一石を投じたとも言われる。

というか、そもそもモノのあふれる社会の中でもモノを使い捨てることに内心忸怩たる思いを抱いていた人がたくさんいたからこそ、メルカリが人々の心をつかんだのだろう。

使わなくなったものも捨てるとなれば心が痛む。でも他の誰かに使ってもらえるとなれば心置きなく手放せるし、さらには手に入ったお金で新しいものを買うこともできる。

次ページ良いことづくめのシステムですが…
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