三菱電機、新社長が語った「不正続発」の病巣

社内風土改革で「パイプの詰まり」を取り除く

不正を拾い上げる土壌を作れていなかったことに対する反省を述べた漆間社長。創業以来最大の危機に会社が直面する中、あえて社長就任を受け入れた理由も明かした(撮影:尾形文繁)
危急存亡の秋(とき)――。
創立100年を迎えた記念すべき2021年、長年にわたる検査不正が相次ぎ発覚した三菱電機。引責辞任した杉山武史社長の後を継いだ漆間啓新社長は、7月28日の就任会見で会社の現状をこう表現した。
10月1日に公開された弁護士らによる調査報告書では、「製作所・工場あって会社なし」などと組織風土の問題を指弾された。不正を温存してきた会社の体質をどう変えていくのか。漆間新社長を直撃した。

まず従業員全員に伝えたこと

――社長に就任後、最初に何から取り組んだのでしょうか。

従業員にどんなメッセージを出すべきかを考えてきた。すぐに現場に行くこともできないし、不祥事を起こしていない工場の従業員は他人ごとのように感じるかもしれない。従業員全員が"自分ごと"として問題をとらえて、もう一度自分たちを見直してほしいと考えて文章を作り発信した。

――具体的に何を?

上にものを言える風土を作ろう。失敗しても許容できる風土を作ろう。問題をみんなで解決しよう。そんなことを全社員に発信した。伝えたのはお盆の連休明け。それまで私も精神的に落ち着いていなかったし、休みの間によく考えてメッセージを作った。

今は工場などの現場も回っている。これまで社内で実施していた社長フォーラムでは、部長や課長以上に参加者が限られていた。今は3つくらいのチームに分けて、一般の従業員とも話し合えるようにしている。

「今まで写真でしか見たことのない人(社長)が目の前に来てしゃべっている。じゃあ、せっかくだから言わせてもらいます」みたいなことも言われる。三菱電機は全国に50拠点くらいあるが、年内にすべての拠点を回りたい。

――報告書では、不正が放置された背景として現場と本社の間に断絶があるなど、「製作所・工場あって会社なし」という厳しい指摘を受けました。

工場(現場)から見た本社とは、具体的にどこを指しているのかと(調査報告を受けて)最初に思った。工場の従業員にとっては、販売を担当している事業部が「本社」に見えるのかなと。(販売を担当する)事業部と(製造を担当する)工場がきちんと意識を共有できていないケースがあったのだろう。

一方で、例えば部下が何か問題を認識し、改善の提案をしたいとなったとき、上司が一緒になって対応していたかという問題もある。

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調査報告書があぶり出した「特殊体質」

現場社員の「証言」から見えた深刻実態

291ページの調査報告書が残した「宿題」

漆間社長・5000字インタビュー
新社長が語った「不正続発」の根本原因

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