日本の「成長と分配」実現を牽引する2つの処方箋

JPモルガン経済調査部長・鵜飼博史氏に聞く

日本経済の低成長に伴い賃金は伸び悩む(写真:時事通信)
日本の潜在成長率は低下し賃金の低迷も続く。格差拡大も問題視され、岸田内閣の誕生で「成長と分配」が議論されている。JPモルガン証券の鵜飼博史経済調査部長は「まず成長率を引き上げる必要があり、それは可能だ」とする。

 

――日本の潜在成長率の低さ、賃金の低さが問題になっており、日本の将来に悲観的な若者も増えています。

今何が問題かといえば、国内市場が成長しないと皆が思っており、企業が投資をせずに貯蓄をしていることだ。海外には投資しているが国内ではしていない。人々も成長期待がないと不安でお金を消費に回せない。

岸田政権の誕生で、今、成長か分配かという議論が盛んだが、現在の労働分配率をマクロでみれば実は歴史的高水準にある。労働分配率はアベノミクスの頃から上がっている。ほかの先進国と比べて賃金が上がっていないのに労働分配率が高くなっているということは、経済成長していないことの裏返しでもある。

したがって、日本国内の成長期待を高めて、企業の投資を引き出すことが先決だと思っている。

さらに2040年まで展望すると人口が減少していく。人口を増やしていくことは難しいので、生産性の引き上げと外国人労働者を呼び込むことの両面が必要だ。

――成長するにもイノベーションが乏しいと言われます。

処方箋は2つある。

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小川淳也・前衆院議員×五百旗頭薫・東大教授

イノベーションに不可欠な自立自律

日本には北欧型の「積極的労働市場政策」が必要だ

日本に「高度外国人材」が必要なこれだけの理由

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