「メタバース」に巨額投資、グリーが描く青写真 ザッカーバーグ氏も力を入れる注目分野で勝負

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グリーはメタバースの早期実現を目指している。写真は、事業を担う子会社のリアリティ社が2021年8月に期間限定で公開した3Dの仮想空間(写真:グリー)

ゲームに次ぐ、新たな収益柱を作れるか。モバイル向けのゲームなどを手がけるグリーが、「メタバース」と呼ばれる仮想空間事業に本格参入する。子会社を通じて今後2、3年で関連のエンジニアを200人以上採用するなど、総額で約100億円の投資に踏み切る。

メタバースとは、インターネット上の仮想空間のこと。アメリカのSF作家、ニール・スティーヴンスンが著書『スノウ・クラッシュ』の中でインターネット上の仮想世界の名称として使用し、近年、IT・ネット業界でこの言葉がさかんに飛び交うようになった。

フォートナイトが示した可能性

メタバースは一般的に、自身のアバター(分身となるキャラクター)を介して行動したり、ほかの人々と交流したりするデジタル上の空間を指す。

その代表例が、アメリカのエピックゲームス社が手がける「フォートナイト」。2017年にリリースされ、累計登録者数が数億人に上る対戦型オンラインゲームだが、今やその人気はゲームの領域にとどまらない。

フォートナイトは新たな試みとして、ゲーム以外のモードの展開にも力を注ぐ。例えば2020年4月に開始した「パーティーロイヤル」モードでは、仮想空間内でアバターになった有名ミュージシャンのライブを定期的に開催。ユーザーは友達と一緒にアバターを介してフォートナイト上の会場におもむき、ライブを鑑賞できる。

また、仮想空間内でアバター同士がサッカーや釣りをしたり、映画鑑賞したりすることも可能だ。こうした新たな楽しみ方がユーザーの間で一気に広がり、コミュニケーションの場としてメタバースの可能性に大きな注目が集まるようになった。

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