大荒れ後の日経平均が3万円台になると読む根拠 インフレや中国バブル崩壊懸念をどう考える?

拡大
縮小
気がつけば、NYダウは最高値まであと330ドルほど。今後の日本株はどうなるのだろうか(写真:ロイター/アフロ)

9月27日から10月6日にかけての日経平均株価の8連続安――。今回の大幅下落は、テクニカル面では「コロナショック級の震度」だったのではないか。

とはいえ、途中の調整は相場には普通にあることだ。ここは余裕を持って見る局面である。

前回(10月4日配信)、「嵐の中」で書いたコラム「『歴史的コロナバブル』を暗示する『重大な兆候』」の最後の一節を覚えていらっしゃる方もいるかもしれない。つまり、基本的投資スタンスは下がれば買いであり、移動平均乖離率が大きすぎると思えば一部利益確定。長期では来年の大相場に期待せよ、というメッセージだったのだが、これは何も変わっていない。

広がる安心感、株価は「全値戻しへ」と見ていいのか

その後の展開は周知のとおりだ。日経平均は急速に値を戻し、14日には上値抵抗線のように立ちはだかっていた75日移動平均線を回復し、15日には200日移動平均線も一気に抜いた。2万9000円台に戻った日経平均に、市場では安心感が広がっている。

移動平均の乖離率でいえば、10月1日にマイナス圏に転落した総合乖離(25、75、200日移動平均の各乖離率の合計)は、10日間の試練を経て再びプラス圏に浮上した。また日経平均の位置でいえば、8営業日連続安の下げ幅に対して、下値から56.6%まで戻ったことになる。

相場の世界でいうところの「半値戻しは全値戻し」に従えば、18日以降は全値戻し(9月24日の終値3万0248円)への期待が高まる。しかし、そのためには、8連続安の「下値」が「底値」であるという蓋然性がなければ意味がない。今回はそのあたりを検証してみよう。

次ページテクニカル面から見れば「底入れ感」はかなり強い
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT