三菱電機、現場社員の「証言」から見えた深刻実態

開発遅延のプレッシャー、上司への不信感も

長年にわたり社内で見過ごされてきた、三菱電機の検査不正問題。社員らはその根因をどう見ているのだろうか(撮影:今井康一)

三菱電機が10月1日に公開した、品質不正問題に関する調査報告書。そこには、名古屋製作所可児工場(岐阜県可児市)と長崎製作所(長崎県時津町)で長年にわたって続いた不正について、詳細な原因分析が記されている。

外部弁護士らでつくる調査委員会(西村あさひ法律事務所・木目田裕委員長)は、三菱電機の従業員5万5000人を対象にアンケートを実施し、メールでの情報提供も呼びかけた。その結果、集まった不正に関わる問題報告は2305件にのぼった。

調査委は2022年4月をメドに調査完了を目指す方針だ。全容解明はこれからだが、291ページにおよぶ今回の報告書には、退職者を含め従業員や役員190人にヒアリングした内容が記されている。それらの証言から、長期にわたって不正を放置してきた組織内部の問題が大きく4つ見えてきた。

問題①開発遅れへのプレッシャー

工場などの産業用施設で過電流や漏電が起きた際に電流を遮断する「電磁開閉器」の製造で、認証規格と異なる材料を使用していた名古屋製作所可児工場。背景には、度重なる製品の開発遅れがあった。

可児工場技術課の担当者 「何度もスケジュールが遅れたことで、その度に上長が叱責され、これ以上遅延する旨を言い出しづらいという気持ちがあった」「これ以上のスケジュール遅延は許されないという強いプレッシャーを感じており(以下略)」(調査報告書134ページ、以下同)

担当者は開発スケジュールの遅延が許されない環境下、強いプレッシャーに耐えきれずに不正に走ってしまった。

開発完了後には、認証に適合した材料に変更しようという動きも現場ではあった。しかし、その間も製品を出荷し続けたため、部品製造を委託している協力会社に対する口止め工作にまで走った。

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調査報告書があぶり出した「特殊体質」

現場社員の「証言」から見えた深刻実態

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