ENEOSの優良子会社「上場廃止」に噴出する異論

「少数株主の利害がないがしろ」という批判も

傘下のNIPPOとの親子上場解消スキームはこのまま実施されるのか(記者撮影)

時価総額が5000億円近い上場企業が、少数株主からの異論に答えないまま、上場廃止の道を突き進もうとしている。

9月7日、国内石油元売り最大手のENEOSホールディングスは、傘下のNIPPOに対し、非上場化を目的とするTOBを行うと発表した。同日、NIPPO側は、取締役会が株主に対してTOBへの応募を推奨すると公表した。

今回のディールでは、アメリカの投資銀行ゴールドマン・サックス(GS)とENEOSが共同で設立する買収目的会社(SPC)がTOBを行い、完全子会社化することでNIPPOを非上場化する(詳細は下図)。

道路舗装大手のNIPPOは自己資本比率が約7割の優良子会社だ。ENEOSは「当社の経営資源を成長事業の育成に一層振り向けながら、両社の持続的な成長を担保し、かつ親子上場を解消する」という観点でこのスキームを決めたという。

海外の大手ファンドも“支持”

だが、この取引についてマネックスグループCEOの松本大氏は「親子上場の解消を大義名分に少数株主の利害がないがしろにされている」と憤懣やるかたない。自身が会長を務め、NIPPO株を保有するカタリスト投資顧問は9月24日、TOBの価格(1株4000円)の算定に疑問があるとして、公開書簡を出した。

9月27日にはイギリスの大手ファンド、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズがカタリスト投資顧問の考えを「概ね支持」すると発表した。意見表明をすることが少なく「アクティビストではない」としているだけに、シルチェスターとしては異例の行動だ。NIPPOの株式は4.81%を保有している(9月22日時点)。

なぜ、少数株主から物言いがついたのか。そのためにはまず、ENEOSとGSが駆使するスキームを理解する必要がある。

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