ルネサス、相次ぐ「巨額買収」で膨らむ財務リスク

足元で株価好調だが「のれん」が約1兆円へ拡大

半導体市場の活況を受けて、ルネサスの業績も拡大。工場の稼働率は高い(記者撮影)

半導体大手のルネサスエレクトロニクスは8月31日、イギリスの半導体企業ダイアログ・セミコンダクターの買収を完了した。買収額は約6200億円と、2020年末におけるルネサスの総資産(約1兆6000億円)の約4割に当たる巨費を投じた。

ダイアログは電力を制御し、電力消費を効率化するためのアナログ半導体に強く、アップルの「iPhone」にも採用されている。9月1日の記者会見でルネサスのIoT・インフラ事業本部長のサイレシュ・チッティペディ常務は「インダストリアル分野(産業向け)を買収でさらに強化する」と狙いを語った。ダイアログの製品は、足元で拡大しているデータセンターなどに多く使われ、高い成長が期待できる。

全世界で大型M&Aを実施

ルネサスは2017年にインターシル、2019年にインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)というアメリカの半導体2社をそれぞれ約3200億円、約7300億円で買収しており、今回の買収で日本、アメリカ、ヨーロッパと全世界に足場を築いたことになる。

アメリカ社買収後のヨーロッパの企業買収について、ルネサスの柴田英利社長は「アトランティック・クロッシング(大西洋横断)」と社内で表現している。

5年間で3社に投じた買収金額は総額1.6兆円強。今後の買収について、ルネサスの柴田社長は「競合環境も変わっていくので、これで十分とはならないが、まずはダイアログとの統合に集中したい」と、大規模買収は一段落するとの見通しを示す。

インテルやエヌビディアなどが扱うCPUやGPUなどの高度なロジック半導体だけでなく、これらとセットで使われる電源制御やタイミング制御を担うアナログ・パワー半導体も近年、急速に需要が増えている。

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ルネサス「巨額買収」で膨らむ財務リスク

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