中国恒大は依然、デフォルトする公算が大きい システミックリスクに発展する可能性は小

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中国恒大集団の問題は「構造的」なものだとJPモルガン・チェースのアジア・パシフィック・エクイティー・リサーチ責任者ジェームズ・サリバン氏が指摘した。中国恒大のデフォルト(債務不履行)はなおあり得るとの見方も示した。

同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、中国恒大の苦境は不動産セクターにとどまらず、中国の経済成長と政府の歳入にも影響すると予想した。不動産開発大手の中国恒大は巨額の負債を抱え、資金難にあえいでいる。

また、中国恒大は依然、デフォルトする公算が大きいとした上で、重大な影響が波及するリスクがあるとは考えていないと述べた。中国の商業用および住宅用不動産向けローンの大きな部分がデフォルトすると仮定しない限り、中国恒大は「システミックリスク」ではないとも語った。

中国不動産開発セクターへの商業銀行の融資残高は約10兆元(約170兆円)だが、銀行の貸倒引当金は約5兆4000億元で、毎年2兆元ずつが積み増されていると説明した。

JPモルガンは、借り入れがそれほど大きくなく在庫水準も低めの不動産開発会社に投資機会の可能性を見いだしているという。

原題:Evergrande Is ‘Structural Issue’, Default Still Likely: JPMorgan(抜粋)

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著者:Dexter Low

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