希代の理論家が日本経済の問題に送る「処方箋」

プリンストン大学の清滝教授がすべてを語る

日本の低成長と格差について考えているという清滝教授(撮影:尾形文繁)
中央銀行が大規模な金融資産の購入を通じてマーケットの流動性を高める「非伝統的な金融政策」。その理論化を主導したのが、プリンストン大学の清滝信宏教授だ。日本人として初のノーベル経済学賞受賞も期待されている。
今、清滝氏が関心を持っているのは「なぜ日本はこんなに低成長になってしまったのか」。アメリカの政策と対比して、日本における課税の在り方や超高齢化社会の対応策などについて詳しく語った。
(本記事は全5回で配信している清滝教授のインタビュー5回目です)

――最近取り組んでいる研究テーマや問題意識について教えてください。より現在的な問題への関心が高まっているそうですね。

以前、森嶋通夫先生(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授)が「経済学者には歴史家タイプと新聞記者タイプの2つがある」と言ったことがある。

歴史家タイプはいわゆる理論家肌で、経済の歴史にヒントを得ながら抽象化して理論を作っていく。新聞記者タイプは、現在の経済で何が重要かを考えながら理論を考える。

昔、小宮隆太郎先生(東京大学名誉教授)とみなで話していて、一人が「今ケインズの一般理論を読んでいます」と言ったら、「だけどケインズはケインズを読んで勉強したわけではないよね」と返されたことがある(笑)。実際、そのとおりでケインズはあの時代、まさに今何が重要かを考えて理論を作った。

僕も昔は歴史家タイプだったが、しだいに新聞記者タイプになっている。いま関心があるのは、やはり日本経済がなぜこんなに低成長になってしまったのかということだ。

――日本経済の状況をどのように見ていますか。

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清滝信宏教授のインタビューは無料の東洋経済ID登録でお読みいただけます。

第1回 宇沢弘文氏の教えから昇華した「独自モデル」

第2回 中央銀行を魅了した「清滝理論」の核心

第3回 超一流の経済学者たちと向き合う「流儀」

第4回 コロナ下の金融政策、デジタル通貨の未来

第5回 低成長、格差、超高齢化に送る処方箋

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