アメリカの中央銀行を魅了した「清滝理論」の核心

プリンストン大学・清滝教授がすべてを語る

金融危機をきっかけに清滝氏はニューヨーク連銀の研究者と共同論文を書くに至った(編集部撮影)
中央銀行が大規模な金融資産の購入を通じてマーケットの流動性を高める「非伝統的な金融政策」。その理論化を主導し、2008年のリーマンショックの鎮火に貢献したのが、プリンストン大学の清滝信宏教授だ。日本人として初のノーベル経済学賞受賞も期待されている。
清滝氏らの理論とFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の政策はいかに結びき、融合していったのか。当時の状況を清滝氏が詳細に語った。
(本記事は全5回で配信している清滝教授のロングインタビュー第2回目です)

 

――「清滝=モーアモデル」が発表される少し前、ベン・バーナンキ(FRB元議長)やマーク・ガートラーも負債・デフレーションに関する有名な論文を発表しているそうですが、違いは何ですか。

バーナンキとガートラーの場合は、投資主体のバランスシートは過去に依存するというところを強調し、増幅作用を議論している。僕らの論文はそれに加えて、資産価格と担保の関係、負債のテコ作用、将来の期待を考慮したところが貢献だ(清滝=モーアモデルの詳細はインタビュー第1回)。

――清滝さんは、FRBの政策との関係でも有名です。どのような経緯で接点ができたのでしょうか。

「清滝=モーアモデル」では、金融と実物経済との相互関係がカギだという思いがあった。その後、さらに流動性や景気循環、金融政策に関連する論文も発表した。

これは、金融資産の流動性に着目した研究で、2007年〜2008年にかけての世界金融恐慌(いわゆるサブプライムローン危機からリーマンショックに至る世界的な金融危機)のとき、FRBの政策に結びついた。

――どのような内容だったのでしょうか?

>>記事の続きはこちら

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第1回 宇沢弘文氏の教えから昇華した「独自モデル」

第2回 中央銀行を魅了した「清滝理論」の核心

第3回 超一流の経済学者たちと向き合う「流儀」

第4回 コロナ下の金融政策、デジタル通貨の未来

第5回 日本の低成長、格差、超高齢化に送る処方箋

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