再開発で「脱・サブカルの街」下北沢のいまを巡る

「お金に余裕がある学生や社会人」の住民が増加

山本さんと別れ、次に向かったのは下北沢駅の「南西口」改札方面。

というのは、こちらの方面に下北線路街で注目されている「BONUS TRACK」があるからだ。オープンは2020年4月で、緑に包まれた遊歩道沿いにユニークなテナントたちが入居している。

新しいスタイルの“商店街”が誕生した(写真:『SUUMOジャーナル』編集部)

そのテナントとは、世界の発酵調味料を扱う「発酵デパートメント」、食材にこだわり抜いたコロッケが食べられる「恋する豚研究所 コロッケカフェ」、古今東西の日記関連本が購入できる「日記屋 月日」などの14店舗だ。

「『サブカルの街』というイメージは徐々に変わりつつあります」

下北沢の開発は、どのような想いのもと行われたのだろうか。ここの会議スペースで小田急電鉄の開発担当者、向井隆昭さん(31歳)に話を聞いた。

まず今の下北沢を、向井さんは「以前は若者の街、『サブカルの街』というイメージでしたが、徐々に変わりつつあります」と話す。

小田急電鉄の開発担当者、向井隆昭さん。週の半分は下北沢に通い詰める日々を送っている(写真:『SUUMOジャーナル』編集部)

「実際に街に住んでいる人に着目すると、子育て世帯やシニア層も多く、文化が根付くだけでなく住宅街である側面が分かります。家賃の高騰もあり、住んでいる若い人の属性も変化しており、夢を追うアーティストというよりは、ちょっとお金に余裕がある学生や社会人にスライドしており、より多様な人々が街にいるイメージと捉えています」

線路跡地を活用しようという動きは2013年の時点で始まっていた。そして、2018年には現在の「下北線路街」としてのプランが明確になる。

「コンセプトは『BE YOU.シモキタらしく。ジブンらしく。』です。この街は低層の建物が多く、路地裏も歩きやすい。また、飲食、音楽、演劇、古着、雑貨、本、映画など、さまざまなジャンルで、いろんな個性を持った人が活動しています。それをさらに引き出すのが開発の役目だと思っています」

なお、「BONUS TRACK」に入居するテナントは30代のオーナーが多い。床面積は1、2階あわせて計10坪で2階は住居スペース。これで賃料は15万円とのことで、若い世代が挑戦しやすい設定にしたという。

次ページ今まで下北沢にはなかったようなテイスト
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT