普天間基地移設の裏で蠢いた有象無象の紳士たち

馬毛島も移設先候補に一時浮上、その顛末とは

2010年5月、沖縄県の仲井真弘多知事(当時、手前右)と会談する鳩山由紀夫首相(同、手前左)(写真:時事)

2009年7月、衆議院の解散を目前に控え、民主党代表(当時)だった鳩山由紀夫は遊説のため沖縄に入った。総選挙ともなれば、民主党の政権奪取は確実視されていた時期である。高揚感を覚えていたはずだ。

民主党公認の玉城デニーを応援するために向かった沖縄市民会館では、会場のホールは満席で立ち見も出るほどだった。大勢の聴衆を前に鳩山はこう語った。

「アメリカと日本の政府がまとめたものを何も変えてはならないということは、違うのではないか。辺野古には私も行ったが、あんな美しいところに滑走路を造るという発想が、どうしてもストンと落ちない」

そして、後に大きな波紋を呼ぶ発言が飛び出した。

「最低でも県外の移設に皆さん方がお気持ちを1つにされておられるならば、その方向に向けて積極的に行動を起こさなければならないと思っている」

いわゆる「最低でも県外」発言である。

普天間問題で足をすくわれた鳩山政権

そもそもこの発言は、衆議院の解散を前に鳩山が勢いで口を滑らせたのではない。今となっては鳩山1人に責任を押しつけている感があるが、県外移設は民主党の党是でもあった。2005年8月に発表された「民主党沖縄ビジョン【改訂】」にはこうある。

「(普天間は)海兵隊の機能分散などにより、ひとまず県外移転の道を模索すべきである。言うまでもなく、戦略環境の変化を踏まえて、国外移転を目指す」

その後、発足した鳩山政権が普天間問題で足をすくわれ、迷走を繰り広げたことは記憶に新しい。>>記事の続きはこちら

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