映画の「ランボー」がリーダーには不向きな理由 「さりげなく」「繊細な」声掛けが部下を動かす

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孤独に戦うランボーはリーダーには不向き? リーダーのあり方とは……(写真:zabelin/PIXTA)
「米海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)」と聞いてどんな組織を想像するだろうか。強いリーダーが部下に命令し、部下がそれに従う様子を想像した人もいるだろう。しかし、イラク戦争でその名をとどろかせた指揮官ジョッコ・ウィリンクは、「真のリーダーは命令ではなく提案する」と語る。
「伝説の指揮官」と言われるジョッコ・ウィリンクが、米海軍特殊部隊のメソッドをビジネスの現場で応用するべく執筆した『ネイビーシールズ(米海軍特殊部隊)・リーダーズ・マニュアル』がこのたび刊行された。本書から一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

「ランボー」はチームには向かない

リーダーらしくなりたい──それはすばらしいことだ。だからといって、攻撃的になってはいけない。どういうことか? それは、次のように言って回ってはいけないということだ。「おれはリーダーだ! おれは責任者だ! おれの言うことを聞け! おれが決断を下す!」こうした態度は多くの人の反感を買う。そうした態度は「おれを見ろ! おれは重要人物だ!」と言っているのと同じだからだ。それでうまくいくわけはない。

『ネイビーシールズ(海軍特殊部隊)・リーダーズ・マニュアル』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

映画のランボーはたしかにクールなキャラクターかもしれないが、他者をいっさい顧みず孤独に戦うのは、チームという環境では機能しない。

「私はリーダーだ。だから、私に従え!」という言葉は、人々の自尊心を逆なでするだけだ。人々は心の中でおそらく、あんなやつはリーダーに値しないと思っている。のみならず、自分こそがその座につくべきなのだと考えても不思議はない。

だから、メンバーに向かって「おれはリーダーだ!」とがなりたてるのは、よい考えではない。あなたが何か失敗をしようものなら──おそらくするはずだ──彼らは、それみたことかと嚙みついてくるはずだ。

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