SBIグループと太陽光ベンチャーの不可解な関係

SBIグループは融資事件の「最大の被害者」なのか

SBIソーシャルレンディングの調査報告書では触れられていない、SBIグループとテクノシステムの関係がある。写真右は横浜市にあるテクノシステム本社(記者撮影)
「あの詐欺師によってたくさんの被害者が出たが、最大の被害者がわれわれだった」4月28日の決算説明会で、東証1部上場企業、SBIホールディングス(SBI)の北尾吉孝社長はそう言い放った。
「詐欺師」と呼ばれたのは太陽光発電のベンチャー・テクノシステム(テクノ)の生田尚之社長。生田氏は5月27日、東京地検特捜部によって詐欺容疑で逮捕されている。前編中編では、テクノのずさんな経営の実態と、そこに資金を貸し込んできたSBIソーシャルレンディングの内情を記した。
今回の後編では第三者委員会の調査報告書が触れなかったSBIグループとテクノの関係とともに、問題の全体像に迫る。

「この報告書は何らかの理由で、あえてSBIソーシャルレンディング(SBISL)のみに焦点を当てている。『隠れ蓑』調査ではないのかとの疑念が拭えない。SBISLの社長にすべての責任を押しつけている感もあり、親会社を護るための報告書にも思われてくる」

不祥事を起こした企業が公表する調査報告書の格付けを行う「第三者委員会報告書格付け委員会」は2021年6月に記者会見を開き、委員長の久保利英明弁護士がSBISLの調査報告書についてそう指弾した。

報告書は忖度した結果?

副委員長の國廣正弁護士も「(SBISL社長の)経歴などをあいまいにして北尾氏との関係への言及を避けてきたのは、本件不祥事をSBISLだけの問題に止め、その影響がSBIグループや北尾氏に波及しないように忖度した結果ではないのか」と指摘した。

SBISL社長の織田貴行氏(2021年2月に交代)は、1977年に野村証券に入社しており、北尾氏の3年後輩に当たる。その後、ソフトバンク、SBIグループと北尾氏と同じ道を歩んだ。そうした関係性は、SBISLの調査報告書から読み取れない。そして現在、織田氏はSBIグループにいないという。

第三者格付け委員会のほとんどすべての委員が、SBISLの親会社であるSBIホールディングス、ひいてはSBIグループ全体を率いる北尾氏の責任が抜け落ちていると批判した。

調査報告書はSBISLのみに焦点を当てたが、実は、SBIグループとテクノの接点はほかにもある。

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前編/SBIグループは事件の「最大の被害者」なのか

中編/SBIソーシャルレンディングが放置した問題

後編/SBIグループとテクノの不可解な関係

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