国連報告書が指摘する「破局的温暖化」の現実味

人為的な影響が主因、今こそ本気でCO2抑制を

世界各地で異常気象とそれに伴う自然災害が多発している。写真はアラスカ湾の氷河(撮影:GomezDavid)

この夏、西日本から東日本にかけての広い範囲で、40度を超える猛暑や大洪水の被害が相次いでいる。世界を見渡しても、自然災害が多発している。

2021年7月のドイツとベルギーでの大規模な洪水では、濁流が家屋と車を洗い流し、100人以上が亡くなったと報告された。中国では7月の大洪水によって数百万人が被害を受けている。

さらに、北アメリカ北西部では、数日間にわたって40度を超える酷暑が続き、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州のリトンでは同国での観測史上最高となる49.6度を記録している。

これらの自然災害は、産業革命以前と比べて約1.1度の平均気温上昇の過程で起こっているものだ。国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が8月9日に発表した最新の報告書によれば、地球がさらに温暖化していくにつれて、こういった「極端現象」の頻度と強度が一段と増していくという。

IPCC第6次報告書の要点

今回の報告書は、今後20年以内に産業革命以前と比べて世界の平均気温は1.5度上昇し、最も低いシナリオを除いては、1.5度を超えていくと指摘した。気温上昇を1.5度に抑え、深刻な影響を防げるかどうかは、この10年間の私たちの行動次第だということも改めて示された。

IPCCは地球温暖化に関して世界中の専門家の科学的知見を集約している国連の機関で、1990年から5~7年ごとに評価報告書を発表している。前回の第5次報告書(2013年から2014年にかけて順次発表)では「温暖化は人間活動による可能性が非常に高い」としたが、7年ぶりに発表された今回の第6次評価報告書は、さらに踏み込んで「温暖化が人間活動によることは疑う余地がない」と断定した。

人類による責任が科学的にはっきりした今、これ以上の危機を避けるために科学の知見にしたがって迷いなく行動しなければならない。10月31日からイギリス・グラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に向けて、世界一丸となった行動の加速が求められている。>>記事の続きはこちら

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国連報告書が指摘する「破局的温暖化」の現実味

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