パナ新社長「就任目前」で巨額買収に同意した胸中

年明けの2つの現場視察で「腹落ちした」こと

前社長の津賀氏(左)は、後任の楠見氏(右)にブルーヨンダー買収についての判断を委ねていた(写真は2020年11月の次期社長内定会見の様子、撮影:ヒラオカスタジオ)
2021年にアメリカのソフトウェア企業「ブルーヨンダー」を71億ドル(約7800億円)で買収するパナソニック。しかし、巨額買収で失敗した過去の歴史を記憶している社内の役員らの間では反対する声が大きかった。
2020年秋以降の買収の議論が本格化した期間は、2021年6月の社長交代が決まった時期とも重なる。長引く業績停滞からの脱却を探る、新旧それぞれの社長がブルーヨンダーに懸けた狙いは何か。
前編では、買収の主導者として社内の説得に走った樋口泰行代表取締役専務の焦燥や、津賀一宏前社長が買収の必要性を確信した経緯を追った。後編となる今回は、巨額買収に同意した楠見雄規新社長の心中に迫る。

新社長が見た2つの現場

2020年10月末に社長の内示を受けた後、前社長の津賀氏に「おまえが反対するなら俺はやらん」と、ブルーヨンダー買収の判断を委ねられた楠見氏。津賀氏や買収の窓口役だった樋口氏の助言を受け、樋口氏がトップを務める社内カンパニー、コネクティッドソリューションズ(CNS)社を2021年1月に視察した。

楠見氏がそこで見たのは、ブルーヨンダーのソフトウェアを実際に導入したモバイルソリューションズ事業部と、製造や物流現場の効率化に向けたソリューションを提供する「現場プロセス」事業だった。

パソコン「レッツノート」の製造などを手がけるモバイルソリューションズ事業部では、製品の在庫や部材調達の状況、受注動向、納期などについて、神戸や台湾といった各工場の状況がリアルタイムでシステム上に表示されていた。

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逆風の社内で「7800億円買収」の攻防

新社長「就任目前」で買収に同意した胸中

「全責任とる」樋口泰行専務の危機感

「パナ傘下入り」に懸けたアメリカ企業の思惑

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