リクシル瀬戸欣哉CEOが「創業家と闘った」理由 正しい意思決定ができるプロのインテグリティ

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2019年5月、記者会見に臨むリクシルの瀬戸欣哉氏(撮影:風間仁一郎)
何をやるか、やらないか。やるべきことの優先順位付けをどうするか。ビジネスにおいて、また人生において、意思決定を迫られる場面は無数にある。
たとえば、東日本大震災のような想定外の事態が起きたとき、あるいはビジネスで理不尽なことがあったとき、リーダーは何を基準に物事を判断し、意思決定をすべきなのか。『INTEGRITY インテグリティ――正しく、美しい意思決定ができるリーダーの「自分軸」のつくり方』を上梓した岸田雅裕氏が、直観で「正しい意思決定」ができるプロフェッショナル人材の「インテグリティ」について説く。

地震・原発・リスクマネジメント

インテグリティ(高潔さ、誠実さ、真摯であること)が身につくと、直観で意思決定ができるようになってきます。

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意思決定の際にロジカルであることはもちろん必要条件です。必要条件ではありますが、しかし、十分条件ではありません。

ロジカルであることよりも、直観として「正しい」ということがまずわかることが大事です。説明は後付けでもいいのです。演繹的に進めていくだけで本当に結論にたどり着けるかというと、そうではありません。その意味で「直観」こそが非常に重要です。

ビジネスで成功された人や、さまざまな分野で業績を残した人の話を聞くと、「なぜかいてもたってもいられなくて行動してしまった」とか「矢も楯もたまらず、気づいたらそうしていた」というエピソードがよく出てきます。

もちろん、「ロジカルに考えた結果、そうした」というエピソードもありますが、「ロジカルに考えれば絶対に成功しないけれど、こうあるべきだと思ったからやった」というような話も多いのです。

ロジカルシンキングはもちろん重要ですが、これが自分がやるべきことだという直観、また思うようにいかないときにどうやって突破するかというような、理論では立ちいかない側面もある。意思決定力をつけるためには、その両方を知ってほしいと思います。

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