フォロワー110万人「現役僧侶」が語りかける真理 将来不安定な「雇われ坊主」の熱すぎる生き様

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インフルエンサー・坊主さんの生き様とは?(撮影:佐々木仁)
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ツイッターのフォロワー数約110万人の、異色のインフルエンサーがいる。現役僧侶の“坊主”さんだ。

投稿内容は、フォロワーを巻き込んでの大喜利大会や、ハゲ・モテないといった自虐ネタなど、「本当に聖職者かよ?」というものが中心。一方で、仏教の教えをわかりやすく伝えたり、災害や迷い犬の情報を拡散したりと、要所で意義ある投稿も行っている。

SNSの駆使だけでなく、バーの経営者という顔も持つ坊主さんは、素顔も年齢も経歴も明かしていない。どのような人物なのか、異端児の正体に迫った。

「自分なりのやり方で仏教を広めたい」

(画像:坊主さんのツイッターより)

坊主さんは大学で仏教を学び、数年間の修行を経て、ご縁があったお寺で働くように。仏門に入った経緯については「内緒です」とはぐらかすが、家系は仏教と無縁で、自らの意志で僧侶になることを決めたという。

お寺での仕事は、一言でいうと住職の付き人。法事や葬式・通夜のサポート、車の運転、電話番、本堂やお墓の掃除、卒塔婆への文字書き、犬の散歩など。業界用語で“テラリーマン”と呼ばれる、いわゆる雇われ坊主だった。

私生活はどうか。休日は飲みに行くことが多かった、と坊主さん。基本的に飲酒は禁じられていたが、「嗜む程度に朝まで飲んでいました」と振り返る。私服はユニクロを愛用し、デートもすればパチンコにも行く。聖職者ではあるものの、ごく普通の青年の暮らしだった。

そんな坊主さんは、将来に漠然とした不安を覚えるようになる。雇われ坊主という立場は、住職の代替わりなどお寺の組織再編があると、いつお払い箱になるかわからないからだ。継ぐお寺がないことも不安要素のひとつだった。

「お寺の家系に生まれた人は、黙っていても住職になれるんです。でも、私は何もしなければ住職になれない。だから新しいことをして注目を集め、自分なりのやり方で仏教を広めたい、と考えるようになりました」

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