ウーバーイーツ、急拡大で問われる企業責任

労災保険料は配達員が「全額自己負担」の是非

ウーバーイーツは2020年に日本でのサービスエリアを大幅に拡大した(撮影:今井康一)

コロナ禍での外出自粛に伴う、デリバリー需要の増加を追い風に、ウーバーイーツの急拡大が続いている。2016年に東京でサービスを開始してから、すでに40都道府県でサービスを提供(7月20日時点)しているが、そのうち23道県は2020年に初進出した。

2021年5月には国内におけるウーバーイーツの加盟店が10万店を突破しており、競合である出前館(同時期の加盟店数は7.4万店)を大きく突き放している。グローバルにおけるウーバーのフードデリバリー事業の売上高は約39億ドル(約4300億円)と、前期比でおよそ2.8倍増となった。

こうしたウーバーイーツの急速なサービスエリア拡大を支えているのが、個人請負である配達員だ。自分の自転車やバイクを使って、好きなときにアプリを立ち上げて好きなように働ける自由さが、配達員から支持されている。北海道で配達する20代男性は「アルバイトだと拘束されているように感じてしまい面倒。独立した個人事業主として自由に働けるのはうれしい」と話す。

活況の一方で配達員の身入りが減る

個人事業主として業務委託契約を結べば、時間や場所を制約されず、自らの裁量で仕事ができる。だが、身分は自営業者なので、労働基準法などの労働法規がいっさい適用されない。最低賃金保障はなく、職を失っても雇用保険が使えないなど、無権利状態にある(詳しくは「あらゆる業種に広がる“無権利状態”の個人請負」)。

ウーバーイーツがサービスを拡大する中、配達員からは報酬に対する不満の声が上がっている。首都圏で配達員をする30代男性は「ウーバーイーツの報酬は緩やかに下降線を描いている」と指摘する。

背景にあるのはウーバーイーツが行った報酬体系の変更だ。

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