他人の不幸に「快楽を覚える人」のための処方箋 闇というのは誰もが持ち合わせている

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実は心のどこかで他人の不幸を喜んでしまう自分がいることに、心当たりのある方は少なくないのではないでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)
人生100年時代を幸せに生きるには、「プラス思考で生きるための転換力」が重要なようです。浄土真宗本願寺派 超勝寺の住職、大來尚順さんによる連載「人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩」。エンターテイメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けします。

他人の不幸を面白いと思ってしまう悪癖

絶対に他人には言えないけれど、実は心のどこかで他人の不幸を喜んでしまう自分がいることに、心当たりのある方は少なくないのではないでしょうか。

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もちろん周りの方の不幸事に対し、不憫(ふびん)に思ったり、心配したり、同情したり、ときとして手助けすることはあると思います。しかし、心の奥底では自分に不幸事が起こらなくてよかったと安堵し、結局は自分のかわいさゆえに、自分の身を守ることに徹してしまうことが、実は誰しもあると思います。

あるとき、たまたま会食の席で隣り合わせになったご縁で、1人の方が神妙な面持ちでふと胸中を打ち明けてくださった方がおられました。その方は、長年ボランティア活動や社会貢献活動に精力的に携わられ、周囲からも信頼される方でした。

その方は、自分は長い歳月をかけて人のためと思いながらいろいろな活動をしてきたが、結局は全部自分のためだと仰いました。きっとどこかで人の不幸を面白いと思っている自分がいる。そんな自分が嫌で仕方ない。それを誤魔化すために今でもがむしゃらに動くのだとも告白されました。

きっと、少なからず同じような思いを心のどこかに秘めている人は多いのではないでしょうか。

そんな方に気持ちを楽にしていただける方法をご紹介します。

この問題は、言い換えるならば「自分は闇を抱えている」ということになると思います。人には見せたくない、自分でも認めたくない自分の姿があるということです。

実は私自身、同じ悩みを抱えています。この問題に直面したのは学生時代でした。当時、何か人のためにできることはないかと模索し、必死に勉強し、困っている人を助けたいという一心で、さまざまなボランティア活動やデモ活動に参加していました。

それは社会人になっても変わりませんでした。それは猪突猛進という言葉がピッタリの姿だったと思います。

しかし、あるときふと自分の闇の姿に気がつきました。それは心の根底では、「自分は正しいことをしている」「自分は偉い」という、結局は承認要求や自己満足している姿でした。つまり、表面上は世のため人のためと言いながら、実は全部自分のためだったということです。

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