日経平均が下落でも「年末3万円超」は不変のワケ

海外投資家は今の日本株をどう見ているのか

スケートボード競技が行われる東京・有明。「2020」の看板を見ていると不思議な感覚になる(写真:ロイター/アフロ)

アメリカの主要株価指数が「史上最高値圏」に位置しているのに対し、日本株の劣位が鮮明になっている。代表的な指数である日経平均株価は直近、2万8000円を出たり入ったりに終始している。7月9日にはザラ場ベースで安値2万7419円にまで下押しし、5月13日の同安値2万7385円に迫る下振れとなった。

「バーベル」のアメリカに対して日本は「片肺」が継続

こうした日米株価格差の背景の1つは、すでに前回のコラム(「日経平均が上がりにくいのは東京五輪のせい?」7月5日付)で触れたとおりだ。それは、アメリカでは「バリュー株(割安株)とグロース株(成長株)」「製造業と非製造業」「コロナ禍からの景気改善を背景とした景気敏感株と長期成長が期待できるIT関連株」といった組み合わせで、こちらからあちら、またこちらへと、物色対象が次々と移り変わっている。

投資家は、そうした変化に飛び乗り・飛び降りするよりは、「両方とも保有していれば上昇相場がとれる」といった買い姿勢を進めている(7月5日のコラムでは、そうした「両方買い」が重量挙げのバーベルの形を想起させるため、「バーベル戦略」と呼ばれていると述べた)。こうした投資家の姿勢が全面底上げ相場をもたらしている。

それに対して日本では、世界的な景気の持ち直しが各国企業の設備投資・建設投資意欲を回復させており、日本企業が得意とする半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなどの設備機械、建設機械や、これらを支える機械・電子部品需要を拡大しているため、製造業中心に企業業績の改善が期待できると解説した。

こうした企業収益の改善は、まもなく本格化する四半期の企業収益発表で確認できそうだ。だが一方では小売り、外食、旅行関連など、新型コロナウイルス感染症の流行で打撃を受けた非製造業企業については、東京における緊急事態宣言の発出などで、先行きについて不安が広がっている。したがって、製造業中心の片肺物色は見込めても、アメリカのようなバーベル物色とはなりにくいだろう。

次ページ日銀の「展望レポート」も当面は慎重姿勢だが・・・
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