ブラックロック「外資初」の事業認可で中国に勝機

アジア統括ヘッドのスーザン・チャン氏に聞く

Susan Chan/米ボストン大学卒業。英バークレイズ、ドイツ銀行を経て2013年にブラックロック入社。2020年から現職。
運用総額が約1000兆円に上る世界最大規模の運用会社であるアメリカのブラックロック。同社は6月、中国において外資初となる100%出資による投資信託運用会社の事業開始を認可された。
5月には同社が50.1%を出資する3社合弁のウェルスマネジメント会社の事業免許を受けた。アジア統括ヘッドを務めるスーザン・チャン氏に中国での事業戦略を聞いた。


――今回の2つの事業免許を受けて、どう事業展開していきますか。

中国国内の機関投資家や富裕層、一般個人投資家に対して独自に包括的サービスを提供できるようになった。投信会社については2021年末までには販売を開始する予定だ。アクティブ型、インデックス型の公募投信とETF(上場投信)の販売を想定している。

ウェルスマネジメント会社では超富裕層を含めた投資家に対して独自のサービス提供が可能となる。中国で超富裕層の数は急増しており、投資のニーズが高まっている。当面、投資対象は中国国内の資産に限定されている。国外の証券に投資するためには新たな免許を申請する必要がある。

富裕層向けではすでにQDLP(適格国内有限責任組合)という免許を使って中国国外に投資する私募ファンドを販売しており、規模はまだ小さいが増えている。今後も国外投資の拡大が期待される。

エコシステム整備にニーズ

――中国の資産運用市場の潜在性をどう考えますか。

まだ歴史が浅く、発展余地は絶大だ。資産運用のためのエコシステムの整備に対するニーズが強く、当社が支援する機会は大きい。

中国の貯蓄率は世界で十指に入るほど高い。その多くが現預金で、投資は少なかったが、今後変わっていくのは間違いない。中国では世界最速で高齢化が進むのに伴い、年金危機(積立金の枯渇)が深刻化するからだ。公的年金に依存することは難しくなり、企業年金と個人年金の拡充が切迫した課題となっている。

当社は年金運用でも世界最大級であり、積立金運用の専門ノウハウ、透明性と柔軟性のある運用システムを駆使して課題解決を支援したい。

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