4人に1人が"入居拒否"!賃貸「高齢者差別」の実態

収入減や火の不始末、孤独死などで貸主が敬遠

65歳以上が住宅難民に?調査したところ、驚きの事実が浮かび上がった……(写真:SoutaBank/PIXTA)
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65歳からの部屋探しを支援するR65が、全国の「65歳以上」と「20~30代」を対象に、65歳以上が住宅難民になりやすいことについて調査したところ、意識にギャップがある実態が浮かび上がった。詳しく見ていこう。

高齢期になると賃貸住宅を借りづらくなる

実は、高齢者は賃貸住宅を借りづらいという現実がある。年金収入だけで貯蓄を取り崩すなどにより家賃が払えなくなるリスクに加え、高齢になると火の不始末による火災などのリスクが高くなり、さらに単身者の場合は孤独死のリスクも生じるなど、貸主が高齢者に貸すことを敬遠するといったことがあるからだ。

当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

内閣府の「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」(平成30年度)によると、「住まいに関して不安と感じていることがあるか」と聞いたところ、60歳以上の持ち家層では24.9%が「ある」と回答したのに対し、60歳以上の賃貸住宅層では36.5%が「ある」と回答した。賃貸住宅層のほうが不安を感じている人が多いのだ。

調査で住まいに関して不安を感じている賃貸住宅層に、具体的にどのような点を不安に感じているかを聞くと、「高齢期の賃貸を断られる」(19.5%)、「家賃等を払い続けられない」(18.2%)を挙げている。このことからも、高齢期に賃貸住宅を借り続けることが難しいと感じている人が多いことが分かる。

その実態を具体的に調べたのがR65の調査だ。実際に「不動産会社に入居を断られた経験があるか」を聞くと、全国では23.6%が「はい」と回答した。関東圏に限ると断られた経験がある人は27.9%にまで上がる。さらに、断られた経験の回数を聞くと、「1回」という人が半数近くになるが、「5回以上」という人も13.4%(関東では17.6%)もいた。

(図:R65「『65歳以上が賃貸住宅を借りにくい問題』に関する調査」より転載)

20~30代では、高齢者が賃貸住宅を借りづらい現状を知らない人のほうが多い

次に、20~30代に、こうした「65歳以上がほとんどの賃貸住宅を借りられない現状を知っているか」聞いたところ、「はい」という回答が65歳以上では64.2%だったのに対して、30代では41.4%、20代では35.6%とその差がかなりあるという結果になった。

(図:R65「『65歳以上が賃貸住宅を借りにくい問題』に関する調査」より転載)
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