この1週間は今年後半の株価を占う重要週になる 優位なのは「売り方」なのかそれとも「買い方」か

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ノースカロライナ州でワクチン接種を視察するバイデン大統領。結局、アメリカの影響を受けやすい日本株は上下どちらの方向を向いているのだろうか(写真:ロイター/アフロ)

まずは、前回の筆者コラム「日経平均株価が上がりにくくても下がらないワケ」(6月14日配信)後の、この2週間のマーケットを振り返ってみよう。

「ブラードショック」は尾を引くのか?

6月15~16日にはアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されたが、参加者18人が予想する政策金利の分布図「ドットチャート」が、前回の3月時点から大きく変わった。

すなわち、2023年の政策金利の中央値は0.625%となって、前回の0.125%から大きく切り上がった。これは2023年までに2回(計0.5%)の利上げを予想していることを示した。

ただし、ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長は会合後の記者会見で、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)について事実上議論を始めたことを認めたが、慎重な言い回しで「政策変更をいきなり始めることはない」と言明した。

そのため、16日のNYダウは終値では前日比210ドル安にとどまり、FRBは市場との対話にひとまず成功したかに見えた。

しかしその週末、FOMCメンバーでもないセントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁が、テレビで「インフレ加速でFRBは2022年にも最初の利上げをするだろう」と述べた。

FOMCで当初よりも利上げが1年前倒しになる可能性が指摘されたあと、さらに1年前倒しになるかもしれないという「サプライズ予測」に、さすがにNYダウはこの日533ドル安となった。

週明け6月21日の日経平均株価はこれを受けて前週末比953円安となり、「ブラードショック」ともいうべき過激な反応を示した。

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