欧州サッカー界で高まる「中国ブランド」の存在感 欧州選手権で主要スポンサーの3分の1を占める

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サッカー欧州選手権では多くの中国ブランドがスポンサーとなった(写真はvivoのウェブサイトより)

新型コロナウイルスの影響で開催が1年延期された、サッカー欧州選手権が6月12日に開幕した。今大会のスポンサーには、国有家電大手の海信集団(ハイセンス)、キャッシュレス決済の支付宝(アリペイ)、スマートフォン大手のvivo(ビボ)、ショート動画アプリのTikTok(ティックトック)という4つの中国ブランドが名を連ね、主要スポンサーの3分の1を占めた。その結果、中国は国別のスポンサー数で最多となった。

中国ブランド以外の主要スポンサーは、オランダからオンライン旅行予約サイトのブッキングドットコム、ビール大手のハイネケン、フードデリバリー企業のテイクアウェイの3社、アメリカから飲料大手のコカ・コーラと物流大手のフェデックスの2社、ロシアから政府系天然ガス会社のガスプロム、カタールから航空大手のカタール航空、ドイツから自動車大手のフォルクスワーゲン、となっている。

ここ数年、中国ブランドは国際的なトップクラスのスポーツイベントのスポンサーに積極的に名乗りを挙げてきた。ハイセンスが中国企業として初めてサッカー欧州選手権のスポンサーになったのは2016年。この大会以降、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの欧州5カ国でブランドの認知度が大幅に高まったと、同社はホームページで述べている。

アリペイの契約金額は264億円超との報道も

アリペイは2018年11月に欧州サッカー連盟と8年間のスポンサーシップ契約を締結した。この契約には、今大会と2024年のサッカー欧州選手権、UEFAネーションズリーグの4大会の決勝戦、契約期間内に開催されるすべてのサッカー欧州選手権の予選とFIFAワールドカップ欧州地区の予選などが含まれる。AP通信の報道によれば、契約金額は2億ユーロ(約264億円)を超えるという。

本記事は「財新」の提供記事です

vivoは今大会と2024年のサッカー欧州選手権のスポンサーを務めるとともに、同大会の公式スマートフォン・サプライヤーにも認定されている。さらにvivoは両大会の開会式の冠スポンサーも務める。

また、サッカー欧州選手権史上初めてSNSアプリの主要スポンサーとなったのがTikTokだ。TikTokはその中国版アプリの「抖音(ドゥイン)」に同大会のオフィシャルアカウントを開設し、大会期間中に中国向けのオリジナルコンテンツを配信している。

(財新記者:何昕曄、関聡)
※原文の配信は6月16日

財新 Biz&Tech

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