赤道「かすめてもない」のに赤道ギニアと名乗る訳 世界各地の「へぇ~」なおもしろ雑学を紹介

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赤道ギニアの首都・マラボの市場の女性(写真:iStock/Diego Ramos dirator)  
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カスピ海が「海」か「湖」でもめる理由とは?
文豪ヘミングウェイの弟が兄の遺産で独立国をつくっていた!
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本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

赤道直下と思いきや…

赤道は北半球と南半球を分ける境界線で、1周約4万キロに及ぶ。太陽の側から見ると、地球上で最も太陽に近いため、赤道付近が最も暑い。この「赤道」という言葉を国名に冠した国が存在する。アフリカ西部、ギニア湾に面する赤道ギニアである。

アフリカという土地柄、赤道ギニアは暑い。高温多湿の熱帯性気候で、年平均気温は26℃。年降水量は2400㎜にもなる。国土面積は小さいが、1992年に油田が発掘され、首都のマラボは急速に発展した。

そんな赤道ギニアの場所をあらためて地図で確認すると、国名に違和感を持つ人がいるだろう。文字どおり赤道直下に位置しているものと思いきや、赤道はこの国の領土をかすめてもいないからだ。

赤道ギニアの首都・マラボからカメルーン方面を臨む(写真:iStock/Diego Ramos dirator)

赤道は赤道ギニアの南端から約200キロ下った南隣の国、ガボンを通っている。サントメ島とプリンシペ島からなる島国サントメ・プリンシペも赤道に極めて近い。両国とも赤道ギニアよりも「赤道」を冠するにふさわしい国のように思える。

やはり、心情的には「赤道」を国名に冠するからには赤道直下にあってほしいもの。赤道が通っていないのに赤道ギニアでは少し悲しい。ただし、赤道ギニアという国名がまったくのウソというわけではない。赤道をはさんだ南側にアンノボン島という孤島がある。この島とアフリカ大陸の本土との間を赤道が通っている。したがって、堂々と「赤道」を冠した国名を名乗ってよいのである。

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