「住宅ローン控除」中古と新築ではこんなに違う

控除額の上限は「中古は新築の半分」しかない

住宅ローン控除の適用は物件を探す際にも大きな影響を与えているようです。それはどういうことでしょうか(写真:builderB/PIXTA)
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不動産仲介会社の業界団体である不動産流通経営協会(FRK)が公表した「中古住宅購入における住宅ローン利用等実態調査」によると、中古住宅を購入した人の多くが住宅ローンを利用し、住宅ローン控除の適用も受けているが、そのことが物件を探す際に大きな影響を与えているという。どういうことだろうか?

売れ筋は築25年以内だが築古住宅の購入者も3〜4割いる

この調査は、2018~2020年の3年間に中古住宅を購入した、全国の20歳以上を対象に実施したもの。本調査有効サンプル数は2393件で、購入した中古住宅の内訳は、中古一戸建てが1357件、中古マンションが1036件だった。

当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

まず、購入した中古住宅の築年数を見ていこう。

中古一戸建て(画像の青線)では、築25年以内の住宅の購入が多く、なかでも「築6年~10年以内」と「築1年~5年以内」で高くなっている。また、中古マンション(画像の赤線)も築25年以内の住宅の購入が多く、「築11年~15年以内」「築16年~20年以内」「築21年~25年以内」で高くなっている。価格が手ごろで、かつ築年の比較的新しい住宅を買った人が多いことがうかがえる。

実はFRKが注目しているのは、築古の住宅を購入した人も多いということだ。中古一戸建てでは「築21年以上」を購入した比率が43.0%、中古マンションでは「築26年以上」を購入した比率が31.0%いる。

購入した中古住宅の築年数(出典/不動産流通経営協会「中古住宅購入における住宅ローン利用等実態調査」より抜粋転載)

FRKが、一戸建てで築21年以上、マンションで築26年以上に注目しているのは、「住宅ローン控除」の適用条件と関係しているからだ。

●知っておきたい中古住宅の住宅ローン控除のポイント

住宅ローン控除についての認知度は高く、今回の調査でも認知度は91.5%(「どのような制度か具体的に知っている」49.1%+「具体的ではないが制度があることは知っている」42.3%)に達した。

住宅ローン控除についておさらいすると、年末の住宅ローンの残高の1%を10年間、所得税などから控除する制度のことだ。消費税率引き上げによる負担軽減として、8%または10%の消費税がかかる住宅では「年末の住宅ローン残高の上限を4000万円」に、10%の消費税がかかる住宅では「3年間延長(最大控除額80万円)」に、それぞれ期間限定で拡充されている。

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