英会話は「習う」と「慣れ」の両方必要 日本の英語教育を変えるキーパーソン 加藤智久(2)

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 こんにちは、安河内哲也です。前回に続き、オンライン英会話の最大手で、今年6月に東証マザーズに新規上場したばかりのレアジョブの加藤智久社長に行ったインタビューを掲載します。フィリピンに住むフィリピン人講師とスカイプを通じて行う格安の英会話サービスは、いったいどのようにして生まれたのか? 上場後、どのようなビジネス展開を考えているのか?  小、中、高、大と学校教育の場にレアジョブ英会話を導入することは可能なのか? 日本人の英語の話す力の底上げにいちばん必要なことは? などなど、じっくり話してもらっていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
(1)「スカイプ英会話「レアジョブ」誕生の秘密」はこちら。

英語講師募集の張り紙で見つけたパートナー

加藤:さっそく行ってみると、日本で言うところの留学生会館があって、そこはフィリピン大学に留学している日本人、韓国人、アフリカ人などが泊まっている寮だったのです。「オンライン英会話にはあまり関係ないかな?」という気もしつつ、中を歩いてみると、「English tutor wanted!」というような張り紙をたくさん目にしました。「張り紙を出せば人が集まるんだ」と思い、 英語講師募集の張り紙を書いて、学務科のようなところで判を押してもらってからペタペタ張りました。

安河内:張り紙を見ての連絡は?

加藤智久(かとう・ともひさ)
レアジョブ代表取締役社長
1980年、千葉県出身。一橋大学商学部卒業。 外資系コンサル会社に2年半勤めた後に退社し、2007年10月、同社を立ち上げ、代表取締役社長に就任。
ブログ「RareJob CEOの日記

加藤:英語講師になりたいという応募が5人ほどからあり、最終的に会えたのが創業時のパートナー、ただひとりでした。

彼女に会ってすぐに「英語講師を探していると張り紙したけど、ホントに欲しいのはパートナーなんだ。君が英語を教えるのではなくて、教える先生を集めてほしい」という話をしました。すると、当時、女子大生だった彼女は、たまたまお母さんが起業家で、小さい頃からそれを手伝ってきていたと言うのです。

そんな経歴もあるので、ベンチャーのプロセスが大好きという感じで話に乗ってきてくれました。有能でしたし、大金を預けても大丈夫だという信頼も持てたので、私が長くフィリピンに滞在できないときでも、単独で仕事を進めてくれるパートナーに巡り合うことができました。

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